今週から中山競馬場と阪神競馬場の春季シリーズが開幕。2月最後の日曜日で東京マラソンが開催された27日は、阪神では高松宮記念の前哨戦・阪急杯、中山では中山記念が行われました。中山記念には昨年の有馬記念を制し、ドバイワールドカップに挑戦するヴィクトワールピサが登場!得意の中山コースで今季初戦を白星で飾れたのか?
阪神メイン・第55回阪急杯(GⅢ・芝1400m)は16頭で争われました。来月27日の高松宮記念、さらには安田記念に向けての重要な一戦となるこのレースには、京都金杯で2着の②ガルボ、昨年10月のスプリンターズ以来の実戦となる⑦ワンカラット、GI2着2回の⑥ビービーガルダン、⑮サンカルロといった短距離路線の実力者が集結。他にもマイルが得意な④フラガラッハ、1400mを得意としていて現在2連勝中の⑩サワノパンサー、⑫スプリングソング、⑨コスモセンサーも参戦してきました。
ほぼ綺麗に揃ったスタートの後、先行争いで⑤サワヤカラスカルとコスモセンサー、さらにはガルボが押して行く中、①ショウナンカザンが最内からわずかに前に出ますが、結局コスモセンサーとショウナンカザンの2頭が並走。スプリングソング4番手でガルボは5番手、その後ろにワンカラットとサワノパンサーが6番手争い。中団にはビービーガルダンとサンカルロがいて、後方3番手にフラガラッハが追走。そして③トシギャングスター最後方で3コーナーを回る。
残り600mを通過してコスモセンサーが先頭、ショウナンカザン2番手。スプリングソングが3番手と好位キープ。サワノパンサーとサンカルロが外に持ち出し、ガルボは最内の6番手のまま最後の直線へ。コスモセンサー、スプリングソング、カザンの3頭が先頭争いをする中、外からサンカルロ襲いかかり、残り200mで先頭に躍り出る。内からガルボが抜け出し、大外からフラガラッハも追い込んでくるがサンカルロには届かない。サンカルロは2着に1馬身以上離してトップでゴール。ガルボが2着、フラガラッハは末脚見せるも3着まで。
サンカルロが2009年のニュージーランドトロフィー以来実に約2年ぶりとなる勝利を飾りました。重賞もこれで通算2勝目です。NHKマイルカップで18着降着の屈辱を味わって以降伸び悩んでいましたが、ようやく白星を掴む事ができました。阪神1400mではこれまでに阪神カップで2着、昨年の阪急杯で3着と好走。今度の高松宮記念は相性のいい阪神で行われるので、もしかすると優勝争いに絡んできそうだ。
1番人気のガルボは2着惜敗。2戦続けての2着は悔しいだろうなあ。ワンカラットの方は約4か月の休み明けで前走より+26kgの534㎏だったのが響いたのでしょう。宮記念では馬体重を絞ってくると思います。減量が上手くいけば昨年夏のパフォーマンスが再び見られる事でしょう。
中山のメイン競走・第85回中山記念(GⅡ・芝1800m 12頭立て)は、ドバイに挑む⑨ヴィクトワールピサが「国内壮行試合」として出走。得意の中山コースで絶対に負けるわけにはいきません。他にも27日限りで引退する池江泰郎調教師が管理する⑥リルダヴァル、2008年皐月賞馬③キャプテントゥーレ、そろそろ目立ちたい④リーチザクラウン、3連対中の⑫レッドシューターといった安田記念or宝塚記念を目標としている馬達がヴィクトワールの勝利に待ったをかけます。
ゲートが開いた直後、キャプテントゥーレがバランスを崩しそうになりますが、何とか持ち直して先頭に躍り出ます。2番手争いでは⑦ミッキードリームとリルダヴァル、ヴィクトワールピサは後方に控える形でゴール板を通過。1,2コーナーから向正面に入り、キャプテントゥーレが単独で先頭。リルダヴァルとミッキードリームが2番手で並走し、4番手集団の中に①マルカボルトと⑪キョウエイストーム。7番手に②アロマカフェ追走、その後ろにレッドシューターがつけている。そして注目のヴィクトワールは9番手、10番手にリーチザクラウン、⑩トーセンキャプテン最後方で3コーナーへ。
残り800mを通過して12頭がほぼ固まった状態となり、残り600mでヴィクトワールピサが早くも動き出し、4コーナー手前で先頭集団に並びかける。直線に入り逃げるキャプテントゥーレをかわして先頭浮上。これで勝利は決定的でしょう。後方ではリーチザクラウンが大外から猛追し前の馬達をごぼう抜きで3番手まで浮上。ヴィクトワールピサは残り100mで突き放し、文句無しの1着ゴール!2着争いはキャプテントゥーレとリーチザクラウンがゴール前で並んだが、わずかにキャプテンが粘った。
やっぱりグランプリホースは強い!ヴィクトワールピサが2馬身半差の完勝で中山記念を制しました。ライバル達と比較するとモチベーションが違うし、レベルも全然違う。1800mではヴィクトワールにとって距離不足かなと思ったけど、そうでもなかったですね。これで中山コースは4戦4勝。3月のドバイ挑戦に大きな弾みをつける結果に終わりました。
今回の勝ちっぷりからすると、ドバイWCでも好走が期待できるし、シーマクラシックやデューティーフリーといった芝のGIでも戦える気がします。課題を挙げるとしたら、オールウェザーの適性力と、メイダン競馬場の左回りを克服する事でしょう。AWは当然初めてで、府中でのダービーとJCではともに3着に敗れているので、左は苦手というイメージがあります。どうかデムーロ騎手とのコンビでドバイ制覇目指して頑張ってほしいと思います。同じ日本代表のブエナビスタとの1,2フィニッシュの夢も見てみたいぞ。
来週はいよいよ2011年の春クラシックのトライアルレースが始まります。5日は阪神で桜花賞トライアル・チューリップ賞、6日は中山で皐月賞トライアル・弥生賞です。チューリップ賞には昨年の2歳女王・レーヴディソールが出走予定。チューリップで勝てば1冠獲得に大きく前進できます。弥生賞の方はサダムパテック、ターゲットマシン、ベルシャザール、オールアズワンが登録しています。牡馬戦線は混戦模様で皐月賞はどの馬が勝つのかまったくわかりません。ディープインパクト産駒の馬達が頑張ってくれないとなあ。