2022年の3歳牡馬クラシック第1戦・第82回皐月賞(GⅠ・芝2000m 18頭立て)が17日、中山競馬場で行われました。今年の皐月賞は、朝日杯FSを制した⑫ドウデュース、ホープフルステークスを勝った④キラーアビリティのGⅠ馬2頭の他に、前走の東スポ杯2歳ステークスから約5カ月ぶりのレースとなる⑱イクイノックス、共同通信杯を勝った①ダノンベルーガ、若葉ステークス快勝の⑯デシエルトの無敗馬3頭、中山3戦3勝の弥生賞馬②アスクビクターモア、京成杯を制した⑪オニャンコポン、スプリングステークス覇者⑬ビーアストニッシド、⑰マテンロウレオ、⑭ジオグリフの重賞ウィナーたちも参戦。混戦ムードの一戦を制し、主役の座を掴むのはどの馬か!?
単勝のオッズは、1番人気がドウデュース(3.9倍)、2番人気ダノンベルーガ(5.0倍)、3番人気イクイノックス(5.7倍)。4番人気キラーアビリティ(7.6倍)、5番人気ジオグリフ(9.1倍)、6番人気のアスクビクターモア(9.9倍)までが10倍以下。その後はデシエルト、オニャンコポン、⑩ジャスティンパレスと続きました。
スタートでデシエルトが少し躓き、キラーアビリティもゲートで後手踏んだか?正面スタンド前の先行争いで、アスクビクターモア、⑦ボーンディスウェイ、ビーアストニッシド、デシエルトが先手を主張。ジオグリフは5番手、ダノンベルーガは6番手あたり。イクイノックスとキラーアビリティとドウデュースは中団グループ。マテンロウレオ最後方でゴール板を通過した。
1,2コーナー中間から向正面に入るところで、アスクビクターモアが先頭、2番手にデシエルト、3番手ボーンディスウェイ、ビーアストニッシド4番手。5番手の位置にイクイノックスがいて、内側6番手ダノンベルーガ、7番手にジオグリフ。8番手集団には内側キラーアビリティ、真ん中⑧ダンテスヴュー、外側⑨サトノヘリオス。その後ろの11番手集団はオニャンコポン,⑤グランドライン,③トーセンヴァンノの3頭がかたまっている。後方勢は⑥ジャスティンロック,、ラーグルフ、ジャスティンパレスの3頭が14番手集団を形成し、ドウデュースは後方2番手を追走、最後方にマテンロウレオ。
3コーナーを回り、アスクビがまだレースを引っ張り、デシエルト2番手、ボーンが3番手、ダノベル最内を突こうとする。イクイノとグリフは大外に持ち出し、キラアビとオニャンコとジャスロクは中団馬群。デュースは一番外から一発捲りを狙う。
4コーナーからラストの直線に差し掛かり、アスクビクターモアとダノンベルーガが競り合うところを、外からイクイノックスとジオグリフがかわしにかかる。大外からドウデュースも追い込んでくるが、前の集団とは差がある。残り100mでイクイノが先頭に躍り出るが、ゴール前でジオグリフが突き抜けてゴールイン!イクイノックス2番手、ドウデュース猛追も3番手まで。
【皐月賞 全着順】
1着⑭ジオグリフ 1分59秒7
2着⑱イクイノックス 1馬身
3着⑫ドウデュース 1馬身1/4
4着①ダノンベルーガ クビ差
5着②アスクビクターモア クビ差
6着⑪オニャンコポン
7着⑥ジャスティンロック
8着⑮ラーグルフ
9着⑩ジャスティンパレス
10着⑧ダンテスヴュー
11着⑬ビーアストニッシド
12着⑰マテンロウレオ
13着④キラーアビリティ
14着⑦ボーンディスウェイ
15着⑤グランドライン
16着⑯デシエルト
17着⑨サトノヘリオス
18着③トーセンヴァンノ
【払戻金】
単勝 ⑭ 910円
複勝 ⑭ 240円 ⑱ 210円 ⑫ 140円
枠連 7⃣-8⃣ 1,730円
馬連 ⑭-⑱ 3,570円
馬単 ⑭-⑱ 7,540円
3連複 ⑫-⑭-⑱ 4,190円
3連単 ⑭-⑱-⑫ 32,840円
ワイド ⑭-⑱ 1,220円 ⑫-⑭ 530円 ⑫-⑱ 550円
重賞ウィナー10頭が参戦し、単勝一ケタ台が6頭もいた今年の皐月賞は、単勝5番人気のジオグリフがイクイノックスとの叩き合いを制して優勝し、牡馬クラシック最初のタイトルを手にしました。2番人気のイクイノックスは2着、約5カ月の休み明けを感じさせない走りを見せました。ただ、鞍上のルメール騎手は今年の重賞初勝利とはならず・・・。ジオグリフとイクイノックスは共に木村哲也厩舎に所属しており、同厩ワンツーフィニッシュとなりました。
1番人気だったドウデュースは、後方2番手追走から、直線で大外から追い込んだものの3着まで。ラスト3ハロンはメンバー最速(33.8秒)だったけど、控える位置が後ろすぎたかなぁ。凄い脚を使ったから、次の日本ダービーも楽しみといえる。2番人気のダノンベルーガは4着、序盤から先行したアスクビクターモアは5着。もう1頭のGⅠホース・キラーアビリティは13着と惨敗。横山武史騎手は4週連続GⅠ全て掲示板を外すどころか、6着→9着→10着→13着と着順を下げ続けるという酷い体たらく。悲惨としか言えません。
勝ったジオグリフは札幌2歳ステークス以来となる重賞2勝目を挙げ、通算でも3勝目。鞍上の福永祐一騎手は、おととしのコントレイルに次ぐ皐月賞2勝目。木村哲也調教師は2018年マイルCSのステルヴィオ以来となるGⅠ2勝目で、クラシック競走初制覇。皐月賞の後に行われた第12レースでも管理馬が勝利し、通算300勝を達成しております。ジオグリフの父であるドレフォン産駒は、JRAのGⅠ競走初勝利。ドレフォンは現役時代にブリーダーズカップスプリントなどGⅠ3勝を挙げ、引退後は日本で種牡馬入り。初年度産駒からGⅠ馬を輩出し、種牡馬としての評価も上昇しそうです。
ジオグリフは2戦目の札幌2歳ステークスで4馬身差の圧勝を果たしましたが、3戦目の朝日杯FSではマイル戦に対応できず5着。前走の共同通信杯でもダノンベルーガの後塵を拝して2着。今回は主戦を務めたルメール騎手がイクイノックスに騎乗するため、福永騎手に乗り替わり。最後の直線で外から追い上げ、最後にイクイノを振り切りました。福永騎手もグリフを勝利に導きガッツポーズ。この日のグリフは札幌の再現を見るかのような走りでしたね。
皐月賞勝利で3歳牡馬戦線の主役争いから一歩抜け出したジオグリフ、次走の日本ダービーは自身の真価が問われる一戦になるでしょう。府中コースでは2戦1勝・2着1回。母の父・キングカメハメハの血を発揮できれば、上位に入って来るんじゃないかと思います。それに福永騎手は4年間でダービー3勝を挙げています。前人未到のダービー3連覇の偉業というのも見てみたいが・・・。