今年最後のGIレース、暮れのダート王を決める大一番・第55回東京大賞典(ダート2000m)が29日、大井競馬場で行われました。JRAから6頭、南関東競馬所属4頭、他地区から4頭の計14頭で争われたこの一戦、9つ目のGI勝利&2年ぶり2度目の大賞典制覇を狙う⑬ヴァーミリアン、フェブラリーSを勝って以降勝利から見放されている⑭サクセスブロッケン、JCダート3着の④ゴールデンチケットが参戦。対する南関東勢は、交流GI3勝の「南関東のエース」⑩フリオーソ、重賞2連勝中の②セレン、重賞3連勝中の3歳馬①ブルーラッド、東京ダービー馬⑤サイレントスタメンが「打倒JRA」の目標を掲げて挑みました。
単勝上位人気では、ヴァーミリアンが1番人気(2.0倍)、2番人気はサクセスブロッケン(2.9倍)、3番人気にはゴールデンチケット(4.1倍)、以下フリオーソ、セレン、ブルーラッドと続きました。
スタートは横一線、フリオーソが好スタートから押して先頭に立ち、サクセスブロッケンとヴァーミリアンの8枠2頭も前をうかがい、ブロッケン2番手、ヴァーミリアンは4番手。その後ろの5番手にゴールデンチケットでゴール板を通過します。やや離れた第2集団にはセレンとブルーラッドがいる。縦長の状態で2コーナーから向正面に入り、フリオーソが1馬身リード、ブロッケン2番手、3番手には③ロールオブザダイス。ヴァーミリアンの外側にゴールデンチケットが上昇し、先頭のフリオーソに並びかけた。中段では、⑨ボンネビルレコードが6,7番手、8番手にブルーラッド、セレン10番手、サイレントスタメンは11番手から追い上げたいところ。
残り800~3コーナーでフリオーソの先頭は変わらず、ゴルチケの横にヴァーミリアン、ブルーラッドも動いてきて、ブロッケンは6番手に下げた。先行集団が塊のまま4コーナーから直線に入る。フリオーソ、ゴールデンチケット、ヴァーミリアンの3頭が馬体を合わせているところにサクセスブロッケンが接近する。残り200mでヴァーミリアンVSブロッケンの一騎討ちとなり、3番手以降はゴルチケ、ロールオブザダイスと後方から追い上げてきたセレンが争う。8枠2頭の競り合いはゴールまで両者互いに譲らず、並んでゴールイン。写真判定の結果、わずかにブロッケンが先着。ヴァーミリアンはハナ差で2着となりました…。
最終成績&払戻金
1⑭サクセスブロッケン 2:05.9
2⑬ヴァーミリアン ハナ
3③ロールオブザダイス 1.3/4
4②セレン アタマ
5④ゴールデンチケット 1
6⑨ボンネビルレコード 1.1/4
7⑩フリオーソ 1.1/4
8⑤サイレントスタメン 3.1/2
9①ブルーラッド 3.1/2
10⑪ヤマトマリオン 3/4
11⑫トウホクビジン 4
12⑥ケイエスショーキ 10
13⑧ヘキレキ 2
14⑦セイリュウザクラ 大差
単勝 14 290円
複勝 14 120円 13 120円 3 460円
枠連 8-8 290円
枠単 8-8 290円
馬連 13-14 280円
馬単 14-13 650円
ワイド 13-14 160円 3-14 1,470円 3-13 1,340円
3連複 3-13-14 4,120円
3連単 14-13-3 11,310円
サクセスブロッケンがヴァーミリアンとのマッチレースを制し、「年末のダート王」の称号を獲得しました。1番人気のヴァーミリアンは2年連続の2着、昨年はクビ差、今年はハナ差で2勝目を逃しました。3番人気のゴールデンチケットは、直線で脚色が鈍って5着。南関東勢はセレンの4着が最高で、フリオーソは7着に終わりました。
ブロッケンはフェブラリーステークス以来3度目のGI制覇、内田博幸騎手は同レース3勝目です。今年は初めての最多勝を獲得、その勢いで古巣・大井で大賞典勝利。地方いや大井競馬のファンの人もウチパクさんが勝って嬉しいでしょうね。
今年のダート戦線を振り返ると、第1弾の川崎記念でカネヒキリが勝利。ダイワスカーレットが出るはずだったフェブラリーステークスでは、サクセスブロッケンとカジノドライヴの1,2フィニッシュ。この出来事をきっかけに「世代交代」の波が来て、かしわ記念でエスポワールシチーが初GI制覇。カネヒキリはレース後に骨折し再び第一線から離れ、その間に同世代のヴァーミリアンが帝王賞とJBCクラシックを連勝。エスポワールはその後、マイルCS南部杯を制し、ブルーコンコルドに引導を渡すと、JCDで逃げ切りVを達成し世代交代を実現。同世代のライバルに後塵を拝し続けていたブロッケンは、東京大賞典で約10か月ぶりの復活Vを果たしたのでありました。7歳世代が中心だったダート界は4歳世代が大活躍、エスポワールが3勝、ブロッケンが2勝。今年の最優秀ダートホースはエスポワールシチーに決まりだと思います。
来年はエスポワールがドバイに挑戦予定、ウオッカ・ブエナビスタとの直接対決が実現するのではないかと思います。その時はダート王者のプライドを見せつけてもらいたいものだ。ドバイ前にはエスポワールVSブロッケンの2強がぶつかる事も考えられる。あと、先日ダートの2歳女王に輝いたラブミーチャンの動向も目が離せません。中央に殴り込んで桜花賞参戦か、ドバイを目指す事を馬主が言っておりますが、果たしてどこへ行くのやら…。2010年もダート競馬は戦国時代、主役争いは1月27日の川崎記念から始まります。