2024年秋のGⅠシリーズ開幕戦・第59回スプリンターズステークス(GⅠ・芝1200m 16頭立て)が29日、中山競馬場で行われました。ソダシの妹⑥ママコチャ、高松宮記念優勝⑦マッドクール、3年連続参戦⑤ナムラクレアの昨年の1~3着馬が揃って参戦。他にもサマースプリントシリーズ覇者⑦サトノレーヴ、セントウルステークス優勝②トウシンマカオ、アイビスサマーダッシュ優勝⑪モズメイメイ、唯一の3歳馬⑩ピューロマジック、1400m重賞3勝③ウインマーベル、骨折からの復帰戦⑬ルガル、さらに香港から⑭ビクターザウィナーと⑨ムゲンの2頭が参戦しました。
スタートで①オオバンブルマイが少し遅れ、サトノレーヴも少し後手気味。ビクターザウィナーと⑯ウイングレイテストがポンと飛び出したが、ピューロマジックが先手を奪う。2番手ウイングレイテスト、3番手ルガル、4番手ビクターザウィナー。5,6番手の位置にマッドクールとママコチャ、その後ろの7番手にトウシンマカオ、8番手⑮ヴェントヴォーチェ、9,10番手のところにウインマーベルとサトノレーヴ。11番手④エイシンスポッター、12番手ナムラクレア、13番手ムゲン、14番手モズメイメイと続き、15番手⑪ダノンスコーピオン、最後方にオオバンブルマイ。
3コーナーを過ぎて、先頭のピューロが大逃げを打ち、前半600mを32秒0で通過。グレイテスト2番手、ルガル3番手、ビクター4番手は変わらず。コチャ5番手、マッド6番手、マカオ中団、サトノレとクレアはまだ中団より後ろの位置。
4コーナーから最後の直線に入ってもピューロマジックが先頭をひた走るが、2番手からルガル、さらに外からビクターザウィナーも追い込んでくる。残り200mを切ってもママコチャ、サトノレーヴ、ナムラクレア、トウシンマカオ、マッドクールが来ていない。残り100mでルガルがピューロをかわして先頭に立つと、内からマカオ、真ん中からコチャ、大外からクレアが突っ込んでくるが、ルガルがそのまま先頭でゴール!伏兵・ルガルが強敵を退け、秋のスプリント王に輝きました!
【スプリンターズステークス 全着順】
1着⑬ルガル
2着②トウシンマカオ
3着⑤ナムラクレア
4着⑥ママコチャ
5着③ウインマーベル
6着⑭ビクターザウィナー
7着⑫サトノレーヴ
8着⑩ピューロマジック
9着④エイシンスポッター
10着⑧モズメイメイ
11着①オオバンブルマイ
12着⑦マッドクール
13着⑨ムゲン
14着⑯ウイングレイテスト
15着⑪ダノンスコーピオン
16着⑮ヴェントヴォーチェ
【払戻金】
単勝 ⑬ 2,850円
複勝 ⑬ 720円 ② 370円 ⑤ 300円
枠連 1⃣-7⃣ 3,370円
馬連 ②-⑬ 15,840円
馬単 ⑬-② 39,400円
3連複 ②-⑤-⑬ 36,810円
3連単 ⑬-②-⑤ 299,070円
ワイド ②-⑬ 4,620円 ⑤-⑬ 3,800円 ②-⑤ 1,240円
秋のスプリント王を決める一戦は、単勝9番人気のルガルが、直線残り200mで逃げるピューロマジックを捕らえると、後続勢の追撃を凌いで優勝しました。2着には内から伸びて来たトウシンマカオ、3着のナムラクレアは昨年と同じ順位。自身8度目のGⅠ挑戦も悲願成就とはなりませんでした。
前回の勝ち馬・ママコチャもゴール前追い上げたものの4着止まり。1番人気のサトノレーヴは伸びきれず7着。芝1200m戦で6連勝、函館スプリントステークス、キーンランドカップと重賞2連勝の勢いが見られなかったですね。スプリントGⅠ春秋連覇を目指したマッドクールも12着。香港勢はビクターザウィナーが6着、ムゲンも13着という結果でした。
GⅠ初制覇のルガルは、今年1月のシルクロードステークス以来となる重賞2勝目。通算でも4勝目をマーク。鞍上の西村淳也騎手はデビュー7年目でGⅠ初勝利。杉山晴紀調教師と馬主の江馬由将さんはスプリンターズS初勝利。ドゥラメンテ産駒もスプリントGⅠ初制覇となりました。
ルガルはシルクロードステークスで完勝した後、高松宮記念で1番人気になりながらも10着。レース後には左脚を骨折して長期間の休養に入りました。半年後に復帰し、いきなりGⅠ挑戦なんて無謀かと思っていましたが、まさかの優勝。正直ルガルが来るとは思わなかったです。骨折明けでGⅠを勝ったというのは、1993年有馬記念のトウカイテイオーを思い出しました。ルガルの馬名の由来はシュメール語で「王」。骨折を乗り越え、その名の通りの結果を残し、「JRA賞最優秀スプリンター」争いで一歩リード。「最弱世代」といわれる現4歳牡馬世代の希望の星となれるでしょうか?