日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

超良血が遂に開花!ジェラルディーナがエリザベス女王杯快勝!

2022年11月13日 | 競馬

秋の最強牝馬決定戦・第47回エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m 18頭立て)が13日、阪神競馬場で行われました。本来ならばエリザベス女王の即位70年の記念競走になる予定でしたが、今年9月8日に96歳で逝去されました。崩御後初のエリ女は、完全復活を目指す無敗3冠牝馬④デアリングタクト、昨年の優勝馬⑭アカイイト、GⅠ7勝の名牝・ジェンティルドンナの娘⑱ジェラルディーナ、⑬ウインマリリン・⑰ウインマイティー・⑨ウインキートスの「ウイン3人娘」、⑦イズジョーノキセキと⑧アンドヴァラナウトの「府中牝馬ステークス組」の古馬勢と、秋華賞馬⑩スタニングローズ、秋華賞2着⑪ナミュール、オークス4着③ピンハイ、⑮ライラックの3歳世代、さらには今年のアイリッシュオークス馬⑤マジカルラグーンが参戦しました。


単勝の人気は、1番人気デアリングタクト(4.3倍)、2番人気スタニングローズ(5.7倍)、3番人気ナミュール(7.3倍)、4番人気のジェラルディーナ(8.1倍)まで10倍以下。その後はウインマリリン、ピンハイ、ウインマイティー、マジカルラグーン、アンドヴァラナウトと続きました。


18頭綺麗に揃ったスタート直後、②ローザノワールが先手を奪い、マジカルラグーンが2番手につけ、ウインキートス・ピンハイ・ウインマイティー・スタニングローズが3番手を争い、ウインマリリンは6番手、デアリングタクトとナミュールは中団から。ジェラルディーナは馬群の後方、アカイイトは最後方で正面スタンド前を通過。
1,2コーナーを過ぎて向正面に入るところで、ローザノワールが単独先頭、マジカルラグーン2番手、3番手にウインキートス、外側4番手からウインマイティーが並びかける。スタニングローズはその後ろの5番手を追走。内側6番手ピンハイ、7番手ウインマリリン。中団グループは8番手⑯テルツェット、9番手デアリングタクト、10番手ナミュール、11番手①クリノプレミアム、外側12番手にジェラルディーナ。後方勢はアンドヴァラナウトとイズジョーノキセキ、⑫ルビーカサブランカが固まり、16番手ライラック、17番手⑥ホウオウエミーズ、アカイイトは依然としてしんがり。
内回り3コーナーに差し掛かり、先頭のロザノワが後続を引き離し、マイティーがマジラグをかわして2番手に上がる。さらにマリリンとキートスも4,5番手につけ、「ウイン3人娘」はみんな好位にいる。スタニングは6番手グループ、デアタクは中団馬群。ジェラルは外側10番手、ナミュールは11番手あたりか。アカイイトは大外に持ち出した。
4コーナーを回り、勝負は最後の直線。ローザノワールがまだ先頭で粘るが、馬場の真ん中からウインマリリン、外からジェラルディーナが追い込む。デアリングタクトとナミュールも猛追する一方、スタニングローズは後退。一番外からライラックが飛んできている。残り200mでマリリンが先頭に立つが、ラスト100mでジェラルが抜け出す。ゴール前でライラックが襲い掛かるが、ジェラルディーナが先頭でゴール!2着争いはライラックとウインマリリンの2頭が並び、アカイイト4番手。




【エリザベス女王杯 全着順】
1着⑱ジェラルディーナ   2分13秒0
2着⑬ウインマリリン     1馬身3/4
2着⑮ライラック        同着
4着⑭アカイイト       2馬身1/2
5着⑪ナミュール        ハナ差
6着④デアリングタクト 
7着⑥ホウオウエミーズ 
8着⑫ルビーカサブランカ
9着③ピンハイ 
10着⑦イズジョーノキセキ
11着①クリノプレミアム
12着⑯テルツェット 
13着②ローザノワール 
14着⑩スタニングローズ
15着⑨ウインキートス 
16着⑰ウインマイティー 
17着⑧アンドヴァラナウト
18着⑤マジカルラグーン

【払戻金】
単勝 ⑱ 810円
複勝 ⑱ 330円  ⑬ 370円  ⑮ 1,160円
枠連 7⃣-8⃣ 1,410円
馬連 ⑬-⑱ 1,920円   ⑮-⑱ 15,500円
馬単 ⑱-⑬ 3,520円   ⑱-⑮ 23,140円
ワイド ⑬-⑱ 1,570円  ⑮-⑱ 9,180円  ⑬-⑮ 8,380円
3連複 ⑬-⑮-⑱ 90,210円
3連単 ⑱-⑬-⑮ 206,260円   ⑱-⑮-⑬ 289,250円


3冠牝馬、今年の秋華賞馬、前回女王、海外GⅠ馬など好メンバーが揃った今年のエリ女は、単勝4番人気のジェラルディーナが制しました。直線で外から追い込み、先に前に出たウインマリリンをかわすと、ゴール前抜け出しました。2着争いは5番人気のウインマリリンと、12番人気の3歳馬・ライラックが並びましたが、結果は同着。GⅠでの2着同着は史上初の珍事だそうです。
勝ったジェラルディーナの鞍上はクリスチャン・デムーロ騎手、マリリンはダミアン・レーン騎手、ライラックはミルコ・デムーロ騎手が騎乗しており、外国人騎手が1~3着を独占しました。
前回の優勝馬・アカイイトは4着、3番人気のナミュールは5着。1番人気だったデアリングタクトは6着に敗れ、2年ぶりの復活勝利はならず。2番人気のスタニングローズは重馬場に苦しみ14着と大敗。アイルランドから参戦のマジカルラグーンは2番手を追走するも3,4コーナーからズルズル下がって最下位の18着に終わりました。

GⅠ初制覇のジェラルディーナは重賞初制覇だった前走のオールカマーに続いての連勝。通算でも6勝目を飾りました。クリスチャン・デムーロ騎手は、2018年の阪神ジュベナイルフィリーズのダノンファンタジー以来、約4年ぶりのJRA・GⅠ勝利。斉藤崇調教師はこのレース初勝利です。
ジェラルディーナは父がGⅠ6勝のモーリスで、母がGⅠ7勝のジェンティルドンナ、両親合わせて13冠。血統を辿ると父の父がスクリーンヒーロー、祖父がグラスワンダー、母の父がディープインパクト、母の母のドナブリーニも英国GⅠを勝っています。
超良血だから早い内に出世するかと思われましたが、初勝利に3戦かかり、初GⅠの阪神JFで8着。同期がクラシック路線で活躍する一方、ジェラルは自己条件戦3連勝でオープン入り。重賞でも掲示板圏内を確保し続け、今年6月以降は鳴尾記念で2着、小倉記念で3着、オールカマーとエリ女で重賞連勝。4歳秋になってようやく本格化を迎えました。
年内にもう1走使うとなれば、有馬記念しかないと思います。グラスワンダー、ジェンティル、ディープは有馬記念で勝っているし、グラス系は中山巧者が多いです。史上初の母娘制覇、さらには「親子三代有馬制覇」を目指して、ぜひ参戦してもらいたい。