5月5日のこどもの日は、東京競馬場で3歳マイル王決定戦・第29回NHKマイルカップ(GⅠ・芝1600m 18頭立て)が行われました。今年のマイルカップは、昨年の最優秀2歳牡馬⑯ジャンタルマンタルと、最優秀2歳牝馬⑭アスコリピチェーノのGⅠ馬2頭が参戦。クラシック1冠目では共に涙を吞んだ2頭が、府中マイルで雪辱なるか?他にもアーリントンカップを勝った③ディスペランツァ、シンザン記念覇者②ノーブルロジャー、ファルコンステークス優勝①ダノンマッキンリー、喉鳴り手術明けの⑫ゴンバデカーブース、ニュージーランドトロフィー2着⑤ボンドガール、東京スポーツ杯2歳ステークス覇者⑬シュトラウス、福永祐一厩舎GⅠ初挑戦⑧チャンネルトンネルなどが参戦しました。
単勝の上位人気は、アスコリピチェーノとジャンタルマンタルが2.9倍で並び、共に1番人気。3番人気ボンドガール(9.2倍)、4番人気ゴンバデカーブース(9.7倍)までが一桁台。その後は⑱アルセナール、ディスペランツァ、ノーブルロジャー、ダノンマッキンリー、シュトラウスと続きました。
スタートで、ジャンタルマンタルが絶好のスタートを決めたのに対し、アルセナールが後手を踏んでしまう。先行争いで⑮マスクオールウィン、ボンドガール、⑨キャプテンシーの3頭が先手を主張し、ボンドガールが先手を奪う。4番手④イフェイオン、外側5番手ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノが6番手につける。7,8番手に⑥ロジリオンと⑧エンヤラヴフェイス、9番手ノーブルロジャー、10番手チャンネルトンネル、11番手ゴンバデカーブース。12番手ダノンマッキンリー、13,14番手の位置にディスペランツァと⑩ウォーターリヒト。後方勢は⑪アレンジャーと⑰ユキノロイヤルが15,16番手に控え、17番手アルセナール、シュトラウスが最後方。
3,4コーナー中間で、キャプテンシーが先頭に立ち、オールウィン2番手、ジャンタルが3番手に上がり、ボンドが4番手に下がる。アスコリは5番手にいる。ゴンバデは中団、ディスペランツァとマッキンリーとロジャーは中団より後ろ、アルセナールは後方2番手のまま。
4コーナーを回って最後の直線に差し掛かり、キャプテンシーとマスクオールウィンの2頭が並び、外からジャンタルマンタルが前の2頭に接近。アスコリピチェーノはジャンタルの内側に入り、ボンドガールが最内を突く。残り400mのところで、アスコリが強引に内に入ろうとしたら、キャプテンシーとボンドが不利を受ける。その間にジャンタルが先頭に躍り出る。残り200mでロジリオンが2番手に上がり、外からゴンバデカーブース、さらにイフェイオンが追い上げる、アスコリも最内から追い上る。しかし、ジャンタルマンタルが後続を退け先頭でゴール!アスコリピチェーノは最後に2番手に浮上しました。
【NHKマイルカップ 全着順】
1着⑯ジャンタルマンタル
2着⑭アスコリピチェーノ
3着⑥ロジリオン
4着⑫ゴンバデカーブース
5着④イフェイオン
6着⑦チャンネルトンネル
7着③ディスペランツァ
8着⑩ウォーターリヒト
9着⑱アルセナール
10着⑧エンヤラヴフェイス
11着⑰ユキノロイヤル
12着②ノーブルロジャー
13着①ダノンマッキンリー
14着⑪アレンジャー
15着⑮マスクオールウィン
16着⑬シュトラウス
17着⑤ボンドガール
18着⑨キャプテンシー
【払戻金】
単勝 ⑯ 290円
複勝 ⑯ 130円 ⑭ 120円 ⑥ 410円
枠連 7⃣-8⃣ 310円
馬連 ⑭-⑯ 360円
馬単 ⑯-⑭ 700円
ワイド ⑭-⑯ 200円 ⑥-⑯ 1,100円 ⑥-⑭ 970円
3連複 ⑥-⑭-⑯ 2,540円
3連単 ⑯-⑭-⑥ 8,520円
東京競馬場の5週連続GⅠの開幕戦は、1番人気タイのジャンタルマンタルが残り300mで抜け出すと、そのまま突き放して快勝。2歳王者の意地を見せ、3歳マイル王の座に就きました。もう1頭のGⅠ馬・アスコリビチェーノが最後に内から伸びて2着に入りましたが、最内に入る際、キャプテンシーとボンドガールの2頭が煽られました。この影響でボンドガール17着、キャプテンシーは最下位でゴール。レース後に審議になったときは、もしかしたらアスコリが降着になり、復帰したばかりのルメール騎手が騎乗停止になるかと思いましたよ。
3着には10番人気のロジリオンが入線。この馬は東京1400mで2戦2勝、今回も上位に入ったから、府中との相性が良いんでしょう。4着のゴンバデカーブースは、昨年10月のサウジアラビアロイヤルカップで勝ち、12月のホープフルステークスで出走取消、この日が約7カ月ぶりの実戦でしたが、休み明けにしては良い走りをしたと思います。叩き2走目となるだろう日本ダービーはどうなるのか?
優勝したジャンタルマンタルは、朝日杯フューチュリティステークス以来となるGⅠ2勝目。重賞勝ちも通算3勝目。鞍上の川田将雅騎手は今年のGⅠ初勝利で、マイルカップ2勝目。高野友和調教師はこのレース初勝利となりました。
ジャンタルマンタルはデビューから3連勝で朝日杯FSを勝ち、最優秀2歳牡馬に選出。今年に入ってからは共同通信杯でジャスティンミラノに敗れて2着のあと、皐月賞では一旦は先頭に立ち、後続との差を拡げたものの、残り100mで失速し、ゴール前でジャスティンミラノやコスモキュランダにかわされて3着に敗れました。それから中2週で挑んだこのマイルカップ、ここ2戦の鬱憤を晴らすかのような走りで圧勝。2歳女王のアスコリピチェーノに2馬身半の差をつけました。これでマイル戦は3戦3勝。左回りも輸送も克服できました。
今回のレース内容を見て、改めて世代トップクラスだとわかったし、マイルでは国内で一番強いんじゃないか?安田記念はさすがに使わないと思うので、秋はマイルCSと香港マイルが目標となるでしょう。今の国内のマイル界は主役になれる馬が不在なので、ジャンタルには「マイル界の絶対王者」になってもらいたいところです。