とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ニュースの真相」 (ねたばれ注意)

2016-09-14 23:59:05 | 映画
ニュース報道の裏側を描いており、ジャーナリストのプロフェッショナリズムや矜持を描いている良作だ。
ケイト・ブランシェットは演技がいいのは当然ながら、出演作品の選び方もいい。

結果的にCBSは偽造文書に引っかかったのだが、誰にも起こりうることで、問題とすべきは報道の中立性や客観性だろう。
ブッシュの再選を阻む目的で予断を持って報道されたのだとしたら、罰せられて然るべきだ。
大統領を選ぶにあたっての判断材料として事実を伝えようとしたのであれば、報道価値がある。

判断材料というのは、仮に報道された内容が事実であったとしても、その後、反省して、大統領たるに相応しい人間になったとも考えられるし、若い頃から親の権力に頼って、厳しい現実を回避してきた人間に大統領が務まるのかとの考えもあり得る。
結局はメディアを通じて醸成されたイメージによって、選挙結果が左右されるので、わかりやすい失策がない方が勝つのかもしれない。

また、偽造文書によって、引っかけた側には、どういう意図があったのかという見方もできる。
功を焦って、調査が不十分な状況で放送した報道姿勢を糾弾することが現実に起こったが、罠に嵌った方が悪いだけでなく、罠を仕掛けた側のことが気になった。
映画ではよくわかならかったが、原作本には書かれているのだろうか。

背景にある米国のジャーナリズムの競争の厳しさやスピード感も見所だ。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:ニュースの真相
原題:TRUTH
製作年:2015年
製作国:オーストラリア、アメリカ
配給:キノフィルムズ
監督:James Vanderbilt
主演:Cate Blanchett
他出演者:Robert Redford、Elisabeth Moss、Topher Grace、Dennis Quaid、Stacy Keach
上映時間:125分