フランスが舞台で、俳優が外国人でも、是枝裕和監督作品だった。
もし、日本で製作していたら、もっとウェットになって、この味は出なかっただろう。
カトリーヌ・ドヌーヴはさすがの大女優。貫禄と色気が凄い。
これぐらい我が儘だと、逆に気持ちがいい。
カトリーヌ・ドヌーヴ演じる大女優ファビエンヌが自叙伝を出版。
そこに自分のことが書かれていないこと、あるいは嘘が書かれていることで周囲に波紋を呼ぶ。
出版記念パーティに出るためニューヨークから娘のリュミール一家が訪れる。
ファビエンヌが助演を演じる劇中劇の映画撮影の進行とともに明かされる真実。
母と娘、今は亡き母親代わりだった女優の存在。
是枝監督は、大女優と子役の使い方がうまい。
メッセージは、記憶の曖昧さというか、人間は自分の見たいものを真実と思い込んで記憶してしまうということか。
そうしないと生きていけない人間の弱さもあるし、そもそも見たいものしか見えないということもある。
大女優は、演技のためなら、どんな些細なことも見逃さないのに、私生活は我が儘放題。
このギャップに愛情や尊敬を持たせてくれる演技こそ、大女優の所以である。
イーサン・ホーク演じる娘の夫は、日本人が演じるならば、リリー・フランキーだろうな。
点数は、8点(10点満点)。
タイトル:
真実
原題:La Verite
製作年:2019年
製作国:フランス、日本
配給:ギャガ
監督:是枝裕和
主演:Catherine Deneuve
他出演者:Juliette Binoche、Ethan Hawke、Ludivine Sagnier、Clementine Grenier、Manon Clavel、Alain Libolt、Christian Crahay、Roger Van Hool
上映時間:108分