とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ジョーカー」(ネタバレ注意)

2019-10-06 23:59:00 | 映画
ジョーカーは悪なのかもしれないが、生い立ちや荒んだ生活に起因している部分があり、
とても感情移入できるキャラクターであり、憎めない。
しかし、悲哀と狂気の間で揺れ動く心理描写が凄すぎて、受け止めきれない。
ホアキン・フェニックスの演技は神懸かっている。
もはや演技でもなく、ジョーカーのドキュメンタリー作品とさえ思えてくる。

また、この映画が今のタイミングで制作されたことにも意味があるのだろう。
先進国で貧富の格差が拡大し、ポピュリズムが台頭してきている現在は、
近い将来、ゴッサム・シティのようになるとの警告が発せられているように思える。

自分を痛めつけていた人々のカリスマになる気分というのは、どういうものなのだろうか。
そんなジョーカーの戸惑いや自己顕示欲、自暴自棄。

人間の闇と向き合って、この作品が作り上げられたことに感動。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:ジョーカー
原題:JOKER
製作年:2019年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:Todd Phillips
主演:Joaquin Phoenix
他出演者:Robert De Niro、Zazie Beetz、Frances Conroy、Brett Cullen
上映時間:122分


「蜜蜂と遠雷」(ネタバレ注意)

2019-10-04 23:59:00 | 映画
ブラボー。
言葉はいらない。

原作を読んだときも感動したが、映画にできるとは思わなかった。
栄伝亜夜と高島明石にスポットを当てる構成が秀逸。
二人を演じる松岡茉優と松坂桃李が、先導役となって物語に誘ってくれた。
高島明石は、観客目線を代弁する役割で臨場感が増幅された。

鈴鹿央士は、風間塵が本から飛び出してきたよう。
森崎ウィンの貴公子感は、マサルそのもの。
脇役も、福島リラは、ジェニファ・チャンの勝気さぴったりで笑ってしまいそうになった。

「自己肯定できる自分に気付けるか」ということがテーマだと感じた。
天才「風間塵」が触媒となって、天才「栄伝亜夜」を再生させる。
栄伝亜夜がマサルを成長させる。
高島明石も3人に刺激され、自分の進むべき道を見つける。

斉藤由貴演じる審査委員長と鹿賀丈史演じるマエストロの大人の厳しさが生み出す緊張感にも痺れた。
ステージに棲むという魔物の重圧に圧し潰されるか、魔物に取りつかれて人生を捧げるのか、
はたまた魔物ともうまくつきあって幸福な人生を歩むのか、運と努力が人生を左右する。

人生は自分との闘いだということを突き付けられた。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:蜜蜂と遠雷
製作年:2019年
製作国:日本
配給:東宝
監督:石川慶
主演:松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士
他出演者:臼田あさ美、ブルゾンちえみ、福島リラ、眞島秀和、片桐はいり、光石研、平田満、斉藤由貴、鹿賀丈史
上映時間:119分


「HELLO WORLD」(ネタバレ注意)

2019-10-01 21:30:00 | 映画
ラストシーンで訳が分からなくなった。

2027年の京都の風景は、今とあまり変わらず。ドローンが飛んでいるぐらいの違い。
宇治はノスタルジーを感じるぐらい変わっていない。

ボーイ・ミーツ・ガール+SFだが、新海誠監督作品と比べると、舞台設定が少し未来寄りだ。
仮想現実世界で生きる人間に意思があるのか考え出すと、楽しめない。

「未来は変えることができる」ということがメッセージではあるが、
タイムマシンで過去に行かず、現実世界と仮想現実世界のつながりで、
驚愕の世界を描いたことが新しいところだろう。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:HELLO WORLD
製作年:2019年
製作国:日本
配給:東宝
監督:伊藤智彦
主演:北村匠海
他出演者:松坂桃李、浜辺美波、福原遥、寿美菜子、釘宮理恵、子安武人
上映時間:98分


「宮本から君へ」(ネタバレ注意)

2019-10-01 20:00:00 | 映画
原作はモーニングの連載で読んだが、当時はあまり好きになれず。
ただ、他の作品と絵力が違ったことは覚えている。

宮本のような熱いというか、どストレートな人間というのは最近、絶滅したのではないか。
登場人物が、一癖二癖あるが、みんな優しい。

蒼井優は女優だなあ。素晴らしい。惚れ直すなあ。

ピエール瀧は久々だが、独特の味がある。
務めを果たして、戻って来て欲しい。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:宮本から君へ
製作年:2019年
製作国:日本
配給:スターサンズ、KADOKAWA
監督:真利子哲也
主演:池松壮亮
他出演者:蒼井優、井浦新、一ノ瀬ワタル、柄本時生、星田英利、古館寛治、ピエール瀧、佐藤二朗、松山ケンイチ
上映時間:129分