行橋市の入り口、箕島海岸は大勢の中学生でごった返していた。木曜日午後2時前のことだ。干潮は3時49分なのだが潮はかなり引いていて沖に繰り出し始めたところのようだ。男女ともトレパン姿で、女生徒は手に塩を入れた容器を持ち、男生徒は鋤やスコップを持っている。彼等は4台のバスを連ねて課外授業として潮干狩り(マテ貝掘り)に来ているのだった。
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ここ箕島でのマテ貝掘りは私のアウトドアのお師匠さん、はまさんに教わった。鋤で砂を削り取って、マテ貝の巣穴を見つけ、その巣穴に塩を注すとマテ貝が驚いて飛び出す。それを手掴みするというもの。いたって簡単で女性も小さな鋤を持って頑張っている。昨年までは仕事の関係もあって、大潮の休日しか来られなかったが、今年は自由日が多いので手軽に来られる。とっつきにくい見かけではあるが、マテ貝のバター蒸し焼きは旨い。食わず嫌いだったのが嘘のように我が家の女性陣も食べ始めたのだ。
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今年初めてのマテ貝掘りだったのだが、この日の北九州は最高気温が11度の予報で寒かった。風が強いと凍えるのではないかと危惧していたのだが、マテ貝の誘惑には勝てず、防寒対策を万全にして意気軒昂に乗り出した。
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中学生達に遅れを取ってなるものかと、ゴム靴付きの防水つなぎを着て、防寒ジャンパーを準備していると、漁協のおばさんがやってきた。入漁料500円の徴収なのだ。管理費という名目だが、何を管理しているのだろう。アサリがすっかり影を潜めているので、アサリの稚貝の放流でもしてくれたら喜んで支払うのだが・・・。
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潮は順調に引いているようで、私は中学生の集団を超えて、沖合い300mくらいの波打ち際で掘り始めた。最初の一掻き、「おや? 巣穴がない!」 続いて掻いても大きなマテ貝の巣穴は見つからない。こんなはずではない。ここははまさんが推奨のポイントなのだが。
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<o:p>マテ貝の巣穴と2時間頑張った収穫</o:p>
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仕方ないので、さらに潮が引くのを待って、沖合いに足を伸ばした。そこでやっと懐かしいマテ貝の巣穴を発見、最初の1個をGETした。そこを拠点にしばらく掘り返したが、どうも小さい。小さすぎる!大きな貝が少ないのだ。それでも我慢して掘っていたのだが、これでは駄目だと諦めて場所を替える事にした。そこからまた沖合いに50mほどの地点だったが、ついに掘り当てた。大きな巣穴が集団で多数出たのだ。しめしめとほくそ笑みながら懸命にマテ貝掘りに精を出したのだが、ふと気づくともう潮が満ちてくるような感じだ。妻も早めに帰ってきてと言ってたことでもあるし、残念ながら打ち止めにした。
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マテ貝のバター蒸し焼き。 和君の入園式。
どうも今年のマテ貝は豊漁では無いようだ。 稚貝が多い。春先の天候異変が響いているのかもしれない。海水温が低くて育ちが悪いのかも。それに掘ったポイントも悪かったようだ。次に来る時は、もっと誰も掘っていない場所を探し出さなければ。
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帰り着いたのが5時半。和君が来ていた。幼稚園のことを訊くと、今日はお当番さんだったらしい。お当番は自分の名前を言って、お友達に知ってもらって、それからお当番の仕事をするようだ。例えば、水筒を忘れた人にはお茶を汲んで上げたり。 きちんとした節度ある教育の幼稚園だというのが伝わって、何だか嬉しい。
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