生前、映像化を唯一拒否し続けていたという。
ドラマが始まる直前に読み始め、途中積ん読状態となるものの15年もかけて今ようやく8巻に辿りついたという...(´д`)
個人的にいろんな意味でシンドイ思いをしてきたが...映像化に難色を示し続けたのが原作から滲み出てくるなと。
著作者である司馬遼太郎さんは作中「この小説をどう書こうかということを、まだ悩んでいる」と漏らしている。
長大なるがゆえ、その壮大さに自ら呆然としている感が伝わってくるのだが、一方でエピソードの一つ一つに慎重になっているのがわかるのだ。
旅順港閉塞作戦時における広瀬中佐や、203高地攻略戦での乃木大将など、有名なエピソードも数多く登場するのだが、ともすれば美談になり勝ちなところを何とか踏ん張って過度な感情表現をせず、多面的な視点を挿入するなど冷静な客観性を保とうと常に努力しているのがわかるのだ。
この歯止めが派手な映像表現によって失われ、多面性のない戦争賛美やお涙頂戴と化してしまうのを非常に恐れていたのだろう。
実際に映像化したNHKの方針も非常に気を遣い、演出に慎重さを保ってはいるが、やはりどうしても文字通りドラマチックさが増幅する。
日露戦争は良い結果をのこしたために、良くない意味での成功体験となり、昭和の敗戦へと至ったのは周知の通りだ。
その敗戦後二十数年を経て作品は執筆された訳だが、司馬さんは常に自問自答と葛藤の中で仕事を続けていたのだろう。
その大いなる遺産を我々はどう捉えていくか...自分も読みながら複雑な想いを巡らせている。
とても重くシンドイ話しなのだ...( -_-)
ドラマが始まる直前に読み始め、途中積ん読状態となるものの15年もかけて今ようやく8巻に辿りついたという...(´д`)
個人的にいろんな意味でシンドイ思いをしてきたが...映像化に難色を示し続けたのが原作から滲み出てくるなと。
著作者である司馬遼太郎さんは作中「この小説をどう書こうかということを、まだ悩んでいる」と漏らしている。
長大なるがゆえ、その壮大さに自ら呆然としている感が伝わってくるのだが、一方でエピソードの一つ一つに慎重になっているのがわかるのだ。
旅順港閉塞作戦時における広瀬中佐や、203高地攻略戦での乃木大将など、有名なエピソードも数多く登場するのだが、ともすれば美談になり勝ちなところを何とか踏ん張って過度な感情表現をせず、多面的な視点を挿入するなど冷静な客観性を保とうと常に努力しているのがわかるのだ。
この歯止めが派手な映像表現によって失われ、多面性のない戦争賛美やお涙頂戴と化してしまうのを非常に恐れていたのだろう。
実際に映像化したNHKの方針も非常に気を遣い、演出に慎重さを保ってはいるが、やはりどうしても文字通りドラマチックさが増幅する。
日露戦争は良い結果をのこしたために、良くない意味での成功体験となり、昭和の敗戦へと至ったのは周知の通りだ。
その敗戦後二十数年を経て作品は執筆された訳だが、司馬さんは常に自問自答と葛藤の中で仕事を続けていたのだろう。
その大いなる遺産を我々はどう捉えていくか...自分も読みながら複雑な想いを巡らせている。
とても重くシンドイ話しなのだ...( -_-)