砂が熱砂になる前にと思って、朝7時過ぎに砂丘に行った。
1番近い駐車場に駐めようと思ったら、まだ準備中だと係りの人が言う。
ここは公営の駐車場で有料。
売り上げは砂丘の保全に使われる。
「あっちはタダですよ」
と教えてくれたのは道路の反対側にある駐車場。
土産物店に隣接しているもので、確かに無料と書いてある。
駐めた客が土産を買うと見込んでのものだろうが、強制されるわけでもない。
こんなことは珍しい。
砂はまだ熱砂にはなっていなかったが、日差しはもう暑い。
遥かに続く砂、砂、砂。
下りて上って、また下りて上る。
疲れた。
砂丘に行ったのは小学生以来か。
実は砂丘の写真でひとつ思い出がある。
ボクが写した写真を町の写真屋に現像してもらったところ、店の親父がこう言うのである。
「良い写真だから店頭に飾らして欲しい」
嘘みたいだが本当の話である、
当時はもちろんフィルムで、ボンヤリした砂丘のロングだったと思うが、確かにしばらく、その写真屋の店頭に飾られていた。
少し気恥ずかしかった記憶がある。
あれから何十年経っただろう。
カメラはデジタルになり、いろんな加工もできてしまう。
でも、それで良かったかといえばそうとも限らない。
今またフィルムが見直され出してもいる。
レコードが見直されているように。
確かなことは、良いものはいつまでも良いということ。