次の目的地は、今や全国区で有名店となった、「アル・ケッチャーノ」です。出羽三山神社で時間がなかったのは、ここのランチコースを予約していたためです。
今では全国各地に奥田シェフプロデュースの店はありますが、その始まりはここになります。廃業したドライブインの建物で開業したのは有名な話ですが、今でもその建物を使い続けています。
ここに来るのも二回目、前回は年近く前になるでしょうか。そのころからすでに有名で、なかなか予約は取れない状況でした。今回は、11時半からの3800円のランチコースなら空いていたので、久々に訪れることにしたのでした。
前回来た時もお昼時で、その時は単品の注文もできたはずですが、現在はランチコースだけのようです。少なくともこの日の客は全員ランチコースのようでした。
小さな店内は当然のごとく満席です。
ランチコースの一品目は、庄内浜の天然そいのカルパッチョ。
トマトソースはしっかりトマトの味がしてこれは非常においしいです。特に塩加減が絶妙、口の中で塩味を感じる最低限の塩分量です。
次は白かぶの冷製スープ。飛島産の鮑が入っています。
しかし、肝心の鮑の味、香りが感じられません。アワビの食感はありますが、だたの白かぶの冷製スープになっているのが残念です。それ自体はおいしいのですが。
はえぬきのリゾット。赤えびと枝豆が添えらえています。
赤えびはリゾットごと軽くあぶられています。枝豆とオリーブオイルの相性が良いことを知りました。しかし、赤海老も枝豆も、それぞれ単品はおいしいですが、リゾットに添えられていることの必要性はあまりないように感じます。
続いてメイン料理。メインは魚、豚肉、牛肉(追加料金)の三種類から選ぶことができます。今回は魚料理と豚肉料理を選択しました。
口細カレイのアクアパッツァ。添えられているキュウリはこの辺の在来野菜、外内島きゅうりで、若干苦味があるのが特徴です。
見た目は非常においしそう、なのですが、残念ながら味は今一つ。まず、魚の内蔵処理がまずく、内蔵の苦味が身に残っています。これは料理人としてはあり得ないことなのでは、と思います。ドライトマトはそれ自体は非常においしいのですが、スープとは全くなじんでいません。外内島きゅうりも同様、なぜここに合わせたのかが良くわかりません。在来野菜を使いたいので、とりあえず入れてみました的な感じのように思えます。
こちらは庄内豚と生ハム。単純に焼いたものなので、これはおいしいです。ただ、付け合わせの糸かぼちゃは若干しつこい味付けに感じました。
ここでパンが出てきます。パンはまあ普通です。
パスタ料理。これも3種類から選ぶことができます。
外内島きゅうりと鯛のペペロンチーノ。
庄内豚のラグーとズッキーニのホワイトソース。
両方とも共通していえることですが、ソースの味が強すぎで、せっかくの具材の味がほとんど感じられません。かなりこってりしており、ヘビーです。
最後のデザート。これはおいしいです。
アル・ケッチャーノの名前に期待しすぎたのか、九兵衛旅館の料理がおいしすぎたからなのか、はたまたこちらの味覚がアル・ケッチャーノのレベルに達していないのか。
前回来た時の料理の印象もあまり残っていないので、ここの料理と自分の味覚があっていないのかもしれません。
個人的には、スープ、ソースが強すぎて、食材の良さを生かせていないように感じました。
<その4に続く>