九兵衛旅館の夕食は基本的に月替わりですが、そのほかに季節の食材を使ったコースがあります。今回は6/20~7/31の土曜、休前日以外の日限定の「岩牡蠣の膳」です。
いつもの食事処に行くと、お品書きがセットされています。
ここは山形の日本酒の品ぞろえも豊富です。
まずは上喜元を注文します。
まずは前菜。
左から、「モロヘイヤと生湯葉の美味だしゼリー」、「そら豆の和風ムース」、「蛸やわらか煮」。
食材の良さはもちろんですが、ここ料理のおいしさの理由は、だしと餡かけ(ゼリー)の絶妙さにあります。
地魚お造り。アラ、スズキ、西バイ貝。料理だけではなく、盛り付けもきれいです。
待望の岩がき。まずはそのままで。一人当たり2個あります。東京で食べたら一個千円はとられるのではないでしょうか。
岩がきは由良漁港に水揚げされたものとのことですが、味が濃厚でしっかり岩がきの味がします。ポン酢がついてきましたがレモンだけで十分です。
岩がきは、飲食店や旅館で食べると、水っぽくて味がほとんどしないものにあたることも多いのですが、ここの岩がきはそんなことはありません。
続いては岩がき握り寿し。こちらも一人二個分です。見た目はいまいちですが味は絶品です。先ほど出てきたポン酢はこちらのほうが合うと思います。
いかの磯辺香り揚げ。いかのげそを海苔と梅肉で巻き、揚げています。ここの揚げ物は油っこくなく、冷めてもべっとりすることはありません。
二本目の日本酒はくどき上手。こちらはちょっと甘めですが、不思議と庄内の食材には合っています。
さらに怒涛の岩ガキ攻撃は続きます。料理の出てくるのもここまで怒涛の速さです。
岩がきが新鮮なうちに出してしまおうということなのかもしれませんが。
焼き岩がき。これも一人に二個です。焼きというより炙りに近いかもしれません。これはこれで身のぷりぷり感が増し、おいしいです。
なんと岩がきが一人六個も出てきたわけですが、料理はまだ終わりません。
山形牛サーロインの味噌幽庵焼き。量も適度で脂もほどほどで重くならずに食べられます。
食事は鯛茶漬け。御飯は庄内産はえぬきです。
自家製の鯛のフレークと、
薬味をご飯にのせだし汁をかけていただきます。お茶漬けなのでいくらでも入ってしまうところがポイントです。
デザートは二種類から選ぶことができます。
クレームブリュレ、抹茶あいす、さくらんぼ庄内麩のフィユタージュ。
料理のおいしい宿でもデザートはいまいち、という宿もありますがここはデザートも優秀です。
やはりここの料理は最高です。わざわざここまで来て食べる価値はあると思います。
夕食の後、休む間もなく、ほたるを見に出かけます。ほたるがよく飛ぶ時間帯は20時~21時ころということです。今日は風がなく、絶好のほたる日和になりました。
目が慣れるまでは良くわかりませんが、目が慣れてくると、小さな光が見えてきます。
ここのほたるはそれほど数が多いわけではなく、飛び回ることも少ないので、写真でとるとなかなか良く映りません。
一番多い時でこんな感じです。
青田舞う 光る命の はかなさよ
湯田川温泉の夜は静かに更けていきます。
<2日目に続く>