笑って、泣いて
映像酔いもした。
けっこう忙しい80分(笑)
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「サンタクロースをつかまえて」59点★★★
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仙台出身の29歳、岩淵弘樹監督が
2011年12月、震災後のクリスマスを撮ったドキュメンタリー。
市内の大通りを飾るイルミネーションや、
そこをいく鼓笛隊のパレード。
教会でのクリスマスのミサの様子や
地元の友人のクリスマス風景などをつなぎ
さらに
震災後の3月20日に
実家に帰ったときの映像をはさんでいます。
正直にいうと
定まらない映画ではあるんですね。
カメラをまわしては何かを探しているような。
でもきっと何を探しているのかを
撮ってる本人もわかっていないんじゃないか。
そんなあぶなっかしさを感じてしまい
“完成されている”とは言いにくいんです。
なんだけど、見てしまう。
震災後、
「ああ、無事でよかった~」とか言いながら
実家に帰った監督を迎える
お母さんの冷めた反応に笑い
結婚して子どものいる友人に
「俺みたいに独身で、子ナシで、貯金もなくてってうらやましい?」
とか聞く様子に笑い、
(――んなこと、誰が思うか!と思わず突っ込むわな(笑)
そのあと友人が子どもたちの枕元に
プレゼントを置くシーンがあって
そんな些細なシーンに、なぜか涙が湧いてくるんですわ。
不思議っすね。
本作では語られないですが
岩淵監督は23歳で仙台から上京し、
派遣社員としての日々を映した「遭難フリーター」(07年)を発表。
残念ながらこれは未見なのですが(すごい見たい)
しかしその後ドキュメンタリー作家としての
問題意識や創作意欲に行き詰まり
介護士として働いていたそうです。
3.11をきっかけに、
カメラをまわしはじめたそうな。
もしかして「探しもの」中なのは
キャラなんでしょうかね。
自分の居場所を探し、仕事を探し
しあわせを探してるのかな。みんなと同じく。
次回作も見て観たい。
そうそう、
資料にある監督の
プロダクション・ノートがすごいおもしろかった。
高城晶平さんの文もよかったです。
★12/8(土)から渋谷ユーロスペースで公開。
「サンタクロースをつかまえて」公式サイト