ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

レ・ミゼラブル

2012-12-16 23:23:43 | ら行

この冬、一番の注目作でしょ。

「レ・ミゼラブル」68点★★★☆


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1815年。フランス、ツーロン。

パンを盗んだ罪で19年服役した
ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は
監督官(ラッセル・クロウ)から仮釈放を言い渡される。

しかしムショ帰りの彼に、世間の風は冷たく
バルジャンの心はすさむばかり。

ある司教の助けで
ようやく宿にありついた彼は
夜中のうちに、教会から銀の食器を盗んで逃げ出す。

翌朝、捕まったバルジャンに
司教は驚くべき対応をするのだった――。

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物凄いスケール感と高揚感ある
超ド級のミュージカル。


話もうろ覚えだったので「ああ、こういう話だっけ」と新鮮で

ミュージカル素人のワシでも
さすがに聴き覚えのある曲多く

俳優たちもみな歌うまく(ラッセル・クロウは少々苦戦?笑)

素晴らしいんだけど

ホントに“マジミュージカル”なんで
そこまで入り込めなかった。

歌、長いな~とかちょっと思ったし
普通のドラマのほうがワシ的にはうれしかったかも。


しかし
クリスマス公開だし、華やかな娯楽作と思いきや、
貧困の描写はそこまで必要か?というほどのリアリズム。

特にアン・ハサウェイは
その激ヤセっぷりとともに、かなりの悲壮感です。

仕事を失うことの怖さや、
一度堕ちてしまうと再生が難しい社会・・など
描かれているのは、いまにダブる社会事情。

「いま、こんな時代だからこそ!」という
意図なのかもしれないけど

なんだか「明日は我が身」的で
どうにも気分が沈んでしまった(失笑)


ただ舞台のファンのかたなどはハマると思う。

小さめの試写室で見たのですが
エンディングの曲をかすかに一緒に口ずさんでる方もいたし
あちこちからすすり泣きも聞こえました。

アマンダはキレイなソプラノだけど
思ったより印象薄く、

意外に主役でない脇キャラ(エポニーヌ役のサマンサ・バークス)が
心に残ったりしました。

あと雨粒の見えない雨のシーンが印象的だった。
細か~~い霧状なのかしらん。
どうやって撮っているんだろう・・・。


★12/21(金)から全国で公開。

「レ・ミゼラブル」公式サイト
コメント (2)
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