ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

フランケンウィニー

2012-12-10 23:21:07 | は行

3Dメガネをしながら
初めて涙がチロリと出た。

そして直面した問題。
・・・どうやって拭くんだ?!


「フランケンウィニー」3D版 72点★★★★


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ヴィクターは
科学と映画が大好きな10歳の少年。

大の仲良しである愛犬のスパーキーといつも一緒で
今日もスパーキーを主人公に特撮映画を作り、
家族の前で上映していた。

そんなある日、
悲しい出来事が起き
スパーキーは亡くなってしまう。

悲しみにくれるヴィクターは
科学の授業からヒントを得て、
ある実験をすることに――?!

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ティム・バートン監督が
自身の子ども時代の体験を基に作った
3Dの白黒ストップモーション・アニメ。

しかも彼はディズニー時代の84年に
同じ題材で実写短編映画を作ってるんですね。未見ですが
本当に彼の原点!なんでしょう。

笑いあり、愛あり、切なさたっぷりで
よく作ってあります。


死んでしまった愛犬をなんとしても蘇らせたかった、
ティム少年の想いが
その後の彼の作品に共通する
独特の死生観や切なさを生んでいたんだなあと
改めて感じました。


スパーキーを蘇らせたヴィクターに
追随しようとするほかの子たちのほとんどが
自分のペットを蘇らせようとするのも切ない。

そこに「邪心」があると
かつてのペットたちは邪悪な生き物になってしまうわけで。

少年の心を失わず、
喪失や悲しみをどう乗り越え、どう大人になっていくのか、
その一つの例を
バートン先生は身を以て示しているのかなとも感じました。


★12/15(土)から全国で公開。

「フランケンウィニー」公式サイト
コメント
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