ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

3人のアンヌ

2013-06-13 22:48:23 | さ行

韓国のゴダールこと、ホン・サンス監督作品。

「一度見るとクセになる」と言われたけど
ホントでした。


「3人のアンヌ」71点★★★★


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韓国の海辺の田舎町に
バカンスにやってきた
3人のアンヌ(イザベル・ユペール)の3つの物語。

青いシャツのアンヌは有名な映画監督。
映画監督の友人(クォン・ヘヒョ)と、その妻(ムン・ソリ)と
海辺のペンションに泊まっている。

妊娠中の妻の目を盗み、
ビミョーなモーションをかけてくる友人を交わし
海岸に出たアンヌは
ライフガードの青年(ユ・ジュンサン)と出会う――。

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前作「ハハハ」で慣れたホン・サンス世界。

今回も「フフフ」な脱力系。

タイトル文字からして
ヘナヘナで脱力(笑)

カメラワークもホントにフリーダムつうか。
気ままで、ゆる~くて、でも気持ちいい。


韓国のなーんもない海辺の田舎ペンションに
3人のアンヌ(イザベル・ユペール)がやってくる。

それぞれ映画監督だったり、
不倫中の奥様だったりと
別々の話ではあるけれど、

中身はすべて懲りない男女の恋愛話であり
出てくる役者もみな同じ。

観客は
同じ人物が違うシチュエーションですれ違ったり、
絡んだり、交差したりするのを見ながら

「あ、さっきの人がここにもいる・・・」とか思う。

観客だけにその関係を読ませて、
フフフと共犯にさせる面白さは
「ハハハ」に似てます。

さらに
3つのエピソードは
混濁としているようでいて、

冒頭の焼酎のビンも、ヘナヘナ文字も、
ちゃんとラストにつながっていくという

とぼけてるようでこれがなかなかの策士なのです。


主演のイザベル・ユペールは
ゴダール映画をはじめ
ハネケ監督の「愛、アムール」にも出てるフランス女優。

1953年生まれって、え?還暦?マジで?というくらい
若々しい素敵女性。

ワシ的には
デニムシャツをゆる~く着こなし、かつ颯爽としてる
映画監督のアンヌが
一番魅力的だった。

「私は怠け者だから、できることしかしないの」という
姿勢とセリフも気に入りました。


★6/15(土)からシネマート新宿で公開。ほか全国順次公開。

「3人のアンヌ」公式サイト
コメント (2)
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