韓国のゴダールこと、ホン・サンス監督作品。
「一度見るとクセになる」と言われたけど
ホントでした。
「3人のアンヌ」71点★★★★
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韓国の海辺の田舎町に
バカンスにやってきた
3人のアンヌ(イザベル・ユペール)の3つの物語。
青いシャツのアンヌは有名な映画監督。
映画監督の友人(クォン・ヘヒョ)と、その妻(ムン・ソリ)と
海辺のペンションに泊まっている。
妊娠中の妻の目を盗み、
ビミョーなモーションをかけてくる友人を交わし
海岸に出たアンヌは
ライフガードの青年(ユ・ジュンサン)と出会う――。
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前作「ハハハ」で慣れたホン・サンス世界。
今回も「フフフ」な脱力系。
タイトル文字からして
ヘナヘナで脱力(笑)
カメラワークもホントにフリーダムつうか。
気ままで、ゆる~くて、でも気持ちいい。
韓国のなーんもない海辺の田舎ペンションに
3人のアンヌ(イザベル・ユペール)がやってくる。
それぞれ映画監督だったり、
不倫中の奥様だったりと
別々の話ではあるけれど、
中身はすべて懲りない男女の恋愛話であり
出てくる役者もみな同じ。
観客は
同じ人物が違うシチュエーションですれ違ったり、
絡んだり、交差したりするのを見ながら
「あ、さっきの人がここにもいる・・・」とか思う。
観客だけにその関係を読ませて、
フフフと共犯にさせる面白さは
「ハハハ」に似てます。
さらに
3つのエピソードは
混濁としているようでいて、
冒頭の焼酎のビンも、ヘナヘナ文字も、
ちゃんとラストにつながっていくという
とぼけてるようでこれがなかなかの策士なのです。
主演のイザベル・ユペールは
ゴダール映画をはじめ
ハネケ監督の「愛、アムール」にも出てるフランス女優。
1953年生まれって、え?還暦?マジで?というくらい
若々しい素敵女性。
ワシ的には
デニムシャツをゆる~く着こなし、かつ颯爽としてる
映画監督のアンヌが
一番魅力的だった。
「私は怠け者だから、できることしかしないの」という
姿勢とセリフも気に入りました。
★6/15(土)からシネマート新宿で公開。ほか全国順次公開。
「3人のアンヌ」公式サイト