ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

EDEN/エデン

2015-09-02 23:25:55 | あ行

ああ、なんだろう、このシンクロ感。

「EDENエデン」73点★★★★


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1992年。

パリに住む大学生のポール(フェリックス・ド・ジヴリ)は
ガラージ音楽にハマっている。

夜な夜な、郊外で開催されるレイヴ・パーティーに参加すると、
そこにはのちのダフト・パンクとなる
二人組もいた。

3年後。

ポールが友人と組んだDJデュオが評判になり
彼はパリのクラブシーンで有名になっていくが――?


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「あの夏の子供たち」(09年)
「グッバイ・ファーストラブ」(10年)の
ミア・ハンセン=ラヴ監督が
自身の兄をモデルに描いた作品。

脚本を書いたのも兄スヴェン・ハンセン=ラヴ自身で
多分に自伝的要素を含み

1990年代、フレンチ・ハウスの黎明期から
そのムーブメントにハマった若者の
栄枯衰退を描いています。


こういう題材で、131分はけっこう長尺。
でもスルスルと、自然に時間が過ぎていく。


それに実際描かれるフレンチ・ハウスのムーブメントは
ワシの時代とは数年ズレているんですが

なんでしょう
この瞬間、同じ場所に、自分がいたような気分になって
監督が作り出す映画時間に引きずり込まれるのだ。


90年代、クラブのイベントでフリーマガジンを配っているシーンには
「うわあ」と、懐かしさがこみ上げた。

そういうメディアが
同じ感性をつなぐツールだったんだよね~。
懐かしー。


しかし音楽は流行で移り変わるもの。

ぶれないポールは次第に時代とズレていき、
暗いトンネルに入り込んでしまう。

その様子を見ながら、
誰もが過ぎ去ってしまう“あのころ”の儚さを思ったり
しかしその渦の渦中にいるときの、熱い興奮を思い出したり
できるんではないでしょうか。

ちなみに。
モデルとなった兄は
この主人公より、かなりカッコいいらしいですよ(笑)


★9/5(土)から新宿シネマカリテほか全国順次公開。

「EDEN/エデン」公式サイト
コメント
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