ビル・マーレイじゃなきゃ
こうはならなかった。
「ヴィンセントが教えてくれたこと」73点★★★★
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ブルックリンに暮らすヴィンセント(ビル・マーレイ)は
酒とギャンブルが生きがいの偏屈おやじ。
そばに寄るのは愛猫のフェリックスと
愛人(ナオミ・ワッツ)だけ。
そんなある日、彼の家の隣に
シングルマザーのマギー(メリッサ・マッカーシー)と
12歳の少年オリバー(ジェイデン・リーベラー)が引っ越してきた。
どうやらオリバーは
学校でいじめられているらしい。
無視を決め込もうとするヴィンセントだったが……。
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人嫌いで偏屈、
酒とタバコにギャンブルにと
かなりクズなオヤジと
隣に越してきた母子家庭の少年の交流を描く物語。
シッター代を目当てに子守りを引き受けたオヤジは
少年にケンカの仕方を教え、競馬を教え……と
起こる出来事は大体想定内なんだけど
これが
匂うほどの人間味に溢れ、
噛み締めがいある良品。
手垢ついた感ある題材も、
ピリッと甘辛い脚本と、
役者の技で、飴色の銅のように輝くんだなあと。
ビル・マーレイのイヤなオヤジっぷりも相当だけど
それゆえ、その意外な一面が際立つし
なんといっても彼と渡り合う
子役の少年がうまいのだ。
クライマックスにもホロリ、きました。
★9/5(金)から全国で公開。
「ヴィンセントが教えてくれたこと」公式サイト