これは見応えありましたぞ。
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「AMY エイミー」77点★★★★
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2011年に27歳で世を去った
歌姫エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー。
第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作です。
128分、ドキュメンタリーにしては長尺だけど
それだけのことはあるな、と。
グラミー賞を5部門受賞した彼女の
歌もたっぷり聴かせながら
その人生を描いていきます。
こうして聞くと
その歌声の素晴らしさに改めて感動するんですが
やはり衝撃的なのは
「才能ある人が破滅していく」、いや薬物に「壊されていく」
その過程が詳細に記録されていること。
彼女を喰い物にしたのは誰か、悪いのは誰かも
しっかり映っているんですよ。
その元凶となるのは、ハッキリ言って
元ダンナと、彼女の父親。
その
すべて明らかになっていることに驚きます。
エイミー・ワインハウスの奇行は
ずっと現在進行形で
日々パパラッチのネタだっただけに
関係者の行状も、全てのカメラに捉えられ、
言い訳しようのない状況だったんでしょうね。
最近だとビーチ・ボーイズの話「ラブ&マーシー」のように
ミュージシャンとドラッグにまつわる“実話”は
たくさん映画になってるけど
いままで“証言”としては明らかにされてきた
「有名人の転落」「破滅への道のり」が
ここでは「ドキュメント」のケースとして、記録されている。
それがすごい。
「やっぱりそういうことだったのか・・・」と学ぶこと多し。
さらにホームビデオや、本人の近影から
人としての繊細さ、愛への異常な依存性も見えてくるもんだから
つくづく
生き急いだことが残念でなりません。
デビュー当時から
その歌のうまさから
「老成している、成熟している」と
あらゆる人に言われ続けてる映像を今見ると、
それが
“予言”とも取れてしまうのが、つらいですねえ。
★7/16(土)から角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国で公開。
「AMY エイミー」公式サイト