2014年度のワシ的ナンバーワン映画
「フランシス・ハ」の
ノア・バームバック監督の新作。

やっぱね、これもえぐられましたわ。

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」77点★★★★




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ブルックリンに暮らす、
ドキュメンタリー映画作家のジョシュ(ベン・スティラー)は
前作から8年たっても、新作を発表できていない。

映画プロデューサーの妻(ナオミ・ワッツ)

それなりに仲良くやっているけれど
友人夫妻に子どもができ、
ベビー自慢にうんざりもしている。

そんなある日、ジョシュは
監督志望のジェイミー(アダム・ドライバー)と
妻(アマンダ・サイフリッド)の
20代の夫婦と出会い――?!




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「イカとクジラ」(05年)「フランシス・ハ」(12年)の
ノア・バームバック監督作品。

一瞬「元気でる系?」と思わせて、
いやあ強烈にしょっぱい!

特に40代組には。

でも、そこが、たまらなく素晴らしい。




主人公は
老眼を感じつつも
「いや、まだイケるよね?」


40代夫婦(ベン・スティラー×ナオミ・ワッツ)。


そんな彼らが
子どものころからSNSがあり


いまどきな20代の夫婦(アダム・ドライバー×アマンダ・サイフリッド)と出会うわけです。


この二組のカップルの日常やギャップを
鋭い観察力で
まあリアルに描くこと!


1969年生まれの(タメか!

やっぱり40代ネタがツボります。

特に
「子ナシ」を選んでも揺らぐ心、
子どもを生んだ友人との溝・・・


この世代特有の“焦燥感”を見事にすくっているんですね。


そんな彼らが出会った
20代カップルの「リラックス」感に
やられてしまうのも、無理もない。

そんな「あるある」の積み重ねだけでも
十分おもしろいんですが
でも
実は、この映画の核はそこではない。

話は“意外な方向”へと進んでいくんですわ。

そこらの
「あるある共感ストーリー」にとどまらない重層さを
よく組み立てたなあと感服しました。

ベン・スティラー演じるジョシュは
マジメにドキュメンタリーを作っているんだけど



誠実だけでは生きていけない現実に気づいてもいる。

でも、自分を曲げることはできない。

同時に彼は
自分が「思い描いていた自分」

認められないわけです。

そして悪いことに
周りの助言も聞けず、だんだん意固地になっていく。



対する20代のジェイミーは

「コネも営業も才能のうち!」

「コピペ?何か悪いの?」

名声への階段を、突っ走って行く。



そんな若いジェイミーを前にした
ジョシュの苦悩が、
あまりにもリアルで、痛いんです。

でもそれは監督自身の
状況や心境の投影なんだとも思う。

「みんな、同じなんだ」

――
爽快な答えはでなくてもいい!


この映画に刺される世代は、絶対に多いはず!
要チェックです!

★7/22(金)からTOHOシネマズ みゆき座ほか全国で公開。
「ヤング・アダルト・ニューヨーク」公式サイト