「神様メール」(16年)のベルギー発。
「エンジェル、見えない恋人」70点★★★★
********************************
エンジェルは「誰にも姿が見えない」という
特異体質を持って生まれた男の子。
優しい母ルイーズ(エリナ・レーヴェソン)と二人で
施設で暮らしている。
母によると、父はマジシャンで姿を消すのが得意技だったが
あるとき、ルイーズの前から
本当にスッと消えてしまったのだという。
少年に成長したエンジェルはあるとき
施設の窓から、少女を見かける。
気になったエンジェルが後を追うと
驚いたことに、少女はこちらに手を差し伸べてきた。
「・・・僕のことが見えるの?」
「ううん、でも声と匂いがするから」
そう、少女マドレーヌは、目が見えなかったのだ。
特別な絆を感じた二人は
秘密の友情を育んでいくのだが――?!
********************************
うーむ、ゆるダークなファンタジーか、空回りな一人芝居か
意外に微妙なところだったんですが(笑)
でも
「赤い風船」(1956年)を思わせる雰囲気もあって
スッとハマる人もいるかもしれない。
姿のみえない“透明人間”を主人公にするというアイデアを具現化したこと、
そして
透明人間を相手にお芝居をするという
ヒロインや母親役の女優たちのチャレンジングは
称えられてしかるべきだと思います。
ピントがカシャン、と切り替わる
独特なカメラワークもおもしろくて
優しい映像が、残酷の芳香をより際立たせるし
そして展開はちょっと意外。
巡り巡る運命は、ハッピーエンドのようであり、
おかしみと、ほろ苦さも残りました。
★10/13(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。