リアル・スティール

テレビでガンガン宣伝が流れてますね。
あの通りの映画です（笑）

「リアル・スティール」６３点★★★


高性能なロボットたちによる格闘技が人気の近未来。

元ボクサーのチャーリー（ヒュー・ジャックマン）は
ロボット格闘技のトレーナーとして
ギリギリの生活をしている。

そんな彼の前に
赤ん坊のころに別れて以来会っていなかった
11歳の息子マックス（ダコダ・ゴヨ）が現れる。

チャーリーは母親を亡くしたマックスを
しぶしぶ預かることになる。

そして二人はある晚、
廃品置き場で古いロボットに出会い――。


S・スピルバーグやロバート・ゼメキスら
そうそうたる顔ぶれが製作総指揮に名を連ねる娯楽作。


少年とロボットの絆もあるんだけど
どちらかというと父子の物語で、

しかも
賢い少年が短慮なダメ父を諭し、成長させていくという
大人と子供の立場逆転な設定といい、

旧型のロボットが最新式の強者ロボットに
果敢に挑んでいく設定といい、

良質な映画的要素をうまく盛り込んだ
上手な作品だと思います。

そりゃ、この製作メンツだもんね（笑）


ドリームワークスとディズニーが
初コラボしており、
ロボットの動きも、さすがに良くできている。


なんですが、
すいませんどうしてもひっかかるところがあって
乗り切れなかったんですよねー。

だって、かわいそうなんだもんロボットが！

人間VS人間のファイトゲームに
飽き足りなくなった人々が、
ロボットを戦わせてるわけなんですが

闘ってるロボットが
容赦なくボッコボコにされるんで
見ていてかわいそうすぎるんですよ。

番長、家電を捨てるのも
簡単にはできない人間なんで(苦笑)。


人間じゃないから何してもいい、と
エスカレートしていく残忍性って
子どもが主人公の映画としてもどうなのか？とか

そこで思考が止まっちゃって、

で、どうしても入りきれませんでした。

ま、そんなところに引っかかる人、
あんま、いないと思いますけど（苦笑）。

ただ、もしも近未来
この格闘技が現実になったら
日本で流行るんかなあと考えてみるんですが、

はやぶさくんに感情移入しちゃう日本人は
そこ結構ダメかもしんないですよねえ（笑）


★12/9（金）から全国で公開。

「リアル・スティール」公式サイト

ピザボーイ 史上最凶のご注文

「ソーシャル・ネットワーク」の
ジェシー・アイゼンバーグが
本拠地に戻った、という感じ？


「ピザボーイ 史上最凶のご注文」５３点★★☆


ピザ屋で働くニック（ジェシー・アイゼンバーグ）は
30分の配達時間をなかなか守れない
しがない配達人。

幼なじみで親友のインド人チェット（アジズ・アンサリ）と
ダラダラとつるんでいる。

あるときピザの配達に行ったニックは
思わぬ事態に遭遇し、

無理矢理、銀行強盗をさせられることになる。

一体、どうやって銀行なんて襲うんだ？
しかも時間内が厳守なんてアリ？！

困ったニックはチェットに相談しようとするが――？！


小さな田舎町で
人生に行き詰まりを感じている
さえない若者が

突拍子もない事態に巻き込まれて
馬力を発揮する――という狙いのコメディ。

単純にもっとドッタンバッタンかと思ったら、
意外にフツーに
友情とハラハラの強盗劇でした。

え？もしかして
そのこと自体がギャグなのか？(笑)


ニック役のジェシー・アイゼンバーグが
カノジョとの会話のなかで
フェイスブックの話題を振られるとことか、

ちょこちょこ笑いはあるんだけど
どうでしょうね
全体で３クスリ、くらいかな。

なにより「うーん」と思ったのは
別にピザ、あんまりカンケーないし（苦笑）

この手のコメディってどぎつくてもヤなんだけど
フツーでも物足りない。
加減がムズカシイですね。

しかし向こうのコメディって
つくづく男コンビのネタが多いなあ。

しかも今作は
男コンビ同士の対決みたいな感じだし。

ピザとコーラで
ワイワイやりながら見るんでしょうかね－男子。


★12/3（土）からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。

「ピザボーイ 史上最凶のご注文」公式サイト

クリスマスのその夜に

さあ～
街も映画もクリスマスらしくなってきましたよ！


「クリスマスのその夜に」６９点★★★☆


ノルウェーのクリスマス・イヴの夜。

妻と離婚したパウルは
幼い息子と娘にクリスマスプレゼントをあげようと
ある作戦を立てる。

家に帰りたくても電車賃がない
ホームレスのヨルダンは
偶然、ある人に出会う。

医師クヌートは
クリスマスの食卓を準備する妻を残して
緊急の呼び出しで出かけてしまう――。


イヴの夜をそれぞれに過ごす
複数の人々のストーリーを同時に進行させ
モザイクのように紡いでいく構成です。


この監督らしい
ちょっとビターなユーモアが香る人間賛歌であり
まずまずの作品。

ですが、
「ちょとほのぼの系」を期待すると
冒頭の切迫した雰囲気に「ドキッ」とすると思う。

そこが仕掛けでもあるんですが、
最後まで「あの話はこのまま？」と
ハラハラさせられました。


バラバラなパーツから
それぞれの話が見えるまでもかなり長く、
各エピソードもちょっと小粒かなあという印象。


それでも特筆すべきは
雪降るノルウェーの聖なる一夜の風景でしょう！


街角も家庭も、キッンも、どこを切り取っても
まさにザ・クリスマス！

まるでスノードームのなかの風景のようで
どこか非現実的な
不思議な感覚になる。

その感覚が
ストーリーと相まって
いい効果をもたらしていました。

公開時期がジャストなのも素晴らしく

点在するプッというユーモアとともに
ささやかに味わいたい作品です。

★12/3（土）からヒューマントラストシネマ有楽町で公開。ほか全国順次公開。

「クリスマスのその夜に」公式サイト

RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ

ささやかな芝居も几帳面な三浦友和氏が
いいですねえ。

「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」６９点★★★☆


電車と熟年期の人間模様を絡めた
シリーズ第２弾です。


舞台は富山。

富山地方鉄道の運転士・滝島(三浦友和)は
あと一ヶ月で定年。

彼は第二の人生をぼんやり考え、

まずは妻（余喜美子）と
旅行にでも行こうと考えていた。

が、妻は意外な反応を示す。

「私、あなたが定年したら、やりたいことがあるの――」

思いがけない妻の言葉に
滝島はつい声を荒げてしまう。

翌日、家に帰ると妻の姿が消えていて――？！


几帳面で昔気質な夫と、
彼に40年連れ添った専業主婦。

熟年夫婦のすれ違いと小さな危機を描いた
やさしい作品です。


電車見ていて楽しいし、三浦友和もいいし、
緩和ケアに持ってく時事性も
悪くないんですが、

まあなんだか全体的に
日本って平和だわなあ、と
フッと微笑んでしまう感じでした。


年配のお客さんに配慮したのか
スローペースの話運びも
起伏の少ない展開も、少しまどろっこしく
2時間を超える必然性は感じられなかった。

笑いももっと欲しかったな。


ただ三浦友和氏の脂ののり具合を堪能できたことは確かだし、
余貴美子さんもいい。
この人は看護師役がいつも似合います（笑）。

さらに
岩松了がまたまた印象的なちょい役で登場。

主人公の三浦友和に
「かみさんが突然出ていったらどうする？」と聞かれた
彼の答えは、夫婦者必見です。

みなさん、見習ってね～。

★12/3から全国で公開。
（ちなみに富山では11/19に先行上映されてます）

「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」