情報通の友人から、俳優の夏夕介さんが、27日、59歳という若さで亡くなったことが分かった。死因は胃がん。
72年の「ママはライバル」(岡崎由紀主演)をはじめ、「赤い絆」、「疑惑の家族」、「事件狩り」、「明日の刑事」、「夜明けの刑事」、「なんたって18歳」等、大映テレビのドラマに多数出演した。しかし何と言っても当たり役は74年の「愛と誠」の大賀誠、そして77年の「特捜最前線」の叶旬一警部補だったと思う。
その後、ハント症候群という病気に罹り、しばらく表舞台から姿を消していたものの、克服し劇団「シアタージャパン」の俳優代表として活躍。この時2004年、創価学会に入信。「病から立ち直れたのも学会のおかげ」と語っていた。妻は元女優の伊藤めぐみ。長女は宝塚歌劇団宙組の娘役・愛花ちさき。
先月、夏夕介について、あるニュースが報道されたばかりだったのに・・。1972年、当時の一部のチビっ子たちをトリコにしながら、「映像は現存しない」(特撮関係者)とされていた幻のヒーローの雄姿が、仙台市の一般家庭から偶然にも“発見”された。映像は地元テレビ局がDVDに収録し、昨年末に発売された。復活した幻のヒーローは「突撃!ヒューマン!!」。72年10月7日から日本テレビ系で土曜午後7時半のゴールデンタイムに放送された。実はこの時間帯、NET(現テレビ朝日)では「仮面ライダー」が放送されており、多くの子供たちは仮面ライダーを見ていた。その点からも“幻”の作品と言える。
収録は関東地方の公会堂などで行われ、チビっ子を会場に集めて劇が進行。「8時だョ!全員集合」と似たつくりで、特撮物としては極めて珍しい設定だった。夏夕介(59)演じる体育教師の学校周辺に怪獣が襲来し、暴れ回る。見かねた会場のチビっ子たちが、事前に配布された円盤を回して「ヒューマーン!」と声援を送ると夏が変身し、怪獣をやっつけるという展開。だが、当時としては珍しいVTR収録がアダとなった。「テープが高価で、放送終了後に別の番組を上書きしていたため、マスターテープが存在しない」(業界関係者)と言われていたのです。
その「ヒューマン」が激しく動くシーンが昨年12月23日に発売されたDVD「懐かしのせんだい・みやぎ映像集 昭和の情景」(仙台放送)に収録された。シーンは仙台市内の大型スーパー屋上と郊外にあったレジャー施設で行われたショーをアマチュアカメラマンが8ミリフィルムで撮影したもの。
同DVDの企画プロデューサー、伏谷宏二氏(42)は「一般の方が持ち込んだ昔のフィルムに偶然、ヒューマンのステージが映っているのを見つけて驚いた。ヒューマンの放映時、仙台はNETの系列局がまだなく、子供たちはみんな仮面ライダーではなく、ヒューマンを見ていましたからね」と語る。「ヒューマン」の放送は全13回、わずか3カ月で打ち切られた。視聴率が仮面ライダーに及ばなかったのが最大の原因といわれている。ただ、伏谷氏は「仙台では認知度が高く、放送終了後にショーが企画された。怪獣やヒューマンの衣装、中に入っているスーツアクターは放送と同じだった可能性が高い」という。今回のDVDは事実上の復刻版というわけだ。
「特捜最前線」で、夏が藤岡弘(仮面ライダー1号)と出会った時、藤岡に「裏番組でしたが、負けました」と語ったという逸話が伝えられている。昨年夏には、芸能生活40周年を迎えたところだった・・・。御冥福をお祈り申し上げます。