アメリカは西海岸の名門ゴルフコース、ペブルビーチ・ゴルフリンクス。これまでに5度の全米オープンの開催実績、また、毎年2月にPGAツアーの「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」が開催されることでも知られています。
僕がゴルフを始めた頃は、AT&Tペブルビーチ・プロアマの試合は、まだ「ビング・クロスビー・プロアマ」という名称でした。「ホワイト・クリスマス」の歌や映画俳優としても有名な、ビング・クロスビー氏が主宰していた試合です。ジャック・ニクラウスやジョニー・ミラー、トム・ワトソン、ベン・クレンショーらが優勝し、春のマスターズの前哨戦として、「トーナメント・プレイヤーズ・チャンピオンシップ」と並んで準メジャーと言われていました。こういう試合の他、ドラール・イースタン・オープンやインベラリー・クラシックを経てマスターズへと向かう流れがわくわくしたものです。
多くのレジェンドたちが「人生最後にプレーしたいコースは?」と訊かれて、ここだと答える「ペブルビーチ・ゴルフリンクス」。僕もここをラウンドするのが長い間の夢でした。
その夢が1990年代に叶った時は、本当に嬉しかった。この18番ホールの光景は今でも忘れません。
記憶ではラウンドに掛かった費用は1万円と少し。2万円までも必要なく、あの当時国内の名門コースをラウンドするより遥かに安価でした。勿論渡米費用は掛かりますが、ゴルフだけの為の渡米ではなく、むしろ渡米目的は別でしたので、愛用のゴルフクラブを持って行くのが面倒だっただけ。
多くのスタープレイヤーの名勝負名場面を思い出しながらのラウンドは夢のようでした。90年代始めはまだバブル景気の影響で、日本の名門コースは高額な費用以前に、メンバーの紹介などが無ければラウンドは決して叶いませんでしたが、ここペブルビーチ・ゴルフリンクスは何とパブリック・コースで、誰でもラウンドが可能です。予約も必要ですし、パブリックコースの中では超高額ですが。
そして最近、その地を再び訪れたのですが・・・
霧のせいで、こんな景色でした(笑)同じ場所なのに、こんなに違う景色です。
1番驚いたのはラウンドフィー。625ドル、日本円にして1ラウンド約10万円です。日本の経済が30年も滞っていたのは嘘じゃない。90年代にわくわくして楽しめたラウンドが、今では誰にでも手が出る代物ではなくなってしまいました。
日本国内にいるだけでは決して分からないことでも、1歩海外に出れば嫌と言うほど分かります。日本は本当に、先進国の一員の地位にいつまで座っていることが出来るのでしょう。中国人に土地を買収され続け、日本海を隔てて中国・ロシア、北朝鮮、韓国と、決して友好的ではない国と隣に位置する日本。真剣に国防を考えないと、日本はいつどうなるか不安です。果たしてどれだけの日本人が、こういう感覚をお持ちなのか・・・。