コロナ禍は僕らの生活を大きく変えてしまいました。慣れというのは凄いもので、つい2年前には無かったことが、今は普通になっていて、それに疑問を持つことも少なくなって来ました。例えばマスク。不織布マスク。これだけ需要があり、物凄く作られて売れている。なのに価格はコロナ禍以前とは比較にならないほど高額なまま。元の値段「近くに」戻らないって、一体どういうこと?
僕は趣味が映画を観ることなので、随分映画の「公開の仕方」が変わってしまったと感じます。
トム・クルーズの「トップガン~マーヴェリック」。劇場公開が延期に次ぐ延期で、現在の所、本年5月27日に日米同時公開となっています。これだけの超大作。全世界的に劇場公開で利益を上げないと、元が取れないのでしょう。ファンならずとも、公開が待ち遠しい作品です。
逆にビートルズの「ゲットバック」は劇場公開を1年延期したものの、劇場公開を諦め、悪名高い「ディズニープラス」での公開となりました。一旦入会すると退会手続が難しいと大不評。これが来月DVDで発売となるのですが、欧米の販売価格の3倍はする値段で、日本では発売。欧米版にも日本語字幕は入っているのに、なぜ?という値段。販売元は「ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社」です。今は亡き、ウォルト・ディズニーは草葉の陰でこういう商法を、どう考えているのでしょう。
いつになったらDVD発売するのかと待っていた、ニコール・キッドマンの「ストレイ・ドッグ」。やっと発売したかと思ったら、TUTAYAでのレンタルや配信のみで、しかも吹替え無し!販売用DVDには吹替えを収録して、後日販売で利益を上げるチャネルを増やそうという目論見かも知れません。
そして何よりもその戦略、利益重視のやり方に疑問符が付くのが、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社。TUTAYAでは、ディズニーの販売するDVDは、レンタルが無くなりました。そして、「ディズニープラス」でのみの配信に。
しかしながら販売用のDVDはあるのですが、これがバカ高い!ブルーレイ+DVDセットも相変わらず。どうして同じものを2枚もセットで買わされるのでしょう?しかも、2枚セットはまだしも、多くの有名作品は、「ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド」がセットになった「MovieNEX」という仕様での発売です。そして値を崩さない。しかも、この「MovieNEX」は日本でのみの販売方式です。馬鹿にされたものです。因みにアメリカ・アマゾンでアメリカ人は、今日であればジャングル・クルーズは「ブルーレイ+DVD+デジタルコピー」であっても、19ドル99セントです。4Kもアメリカでは日本のほぼ半額。
FOXからディズニーに販売元が移ったスターウォーズ・シリーズのDVDのお値段なども、今や大昔の70年代80年代の作品にも関わらず、ブルーレイが欲しいとなれば、あれこれ付いて来て4,000円前後の値段です。著作権の期限が法律によって何度も延長されて行くのは、ウォルト・ディズニー作品をアメリカが守るためと噂されていますが、案外真実のような気がします。夢を与えると言うより、お金を集める守銭奴にディズニーのイメージが完全に変わりました。
特にこういうDVDの値段付けにおいて、リーダーシップを取るアマゾンは、人工知能を使って、売れれば値段を上げて来ます。まるで日替わりで株価のように値段が上下動しています。「スターウォーズ・エピソード4」の4K、僕は昨年12月22日に4,800円で購入しましたが、本年3月18日現在5,544円です。高い時は5,800円まで上がります。カートに入れて様子を見て、下がったタイミングで買わないと馬鹿を見ます。
このようにコロナ禍のせいで、映画は公開方法から、DVDソフトの値段まで高額になって来ました。それだけではなく、日本の場合は先進国の中で日本のみのデフレも、こういうソフトの値段に関係しているかも知れません。人の心に余裕を与えてくれる娯楽は大切で、コロナ禍や戦争、経済危機などの不安材料が多い時ほど必要とされるべきものなのに、人々の元に安価で届かなくなるのは悲しいと言うか、何か違うと考え込んでしまいます。