青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

ロック喫茶 ビートルズ / 大阪・ミナミ

2020-03-11 | 昭和の喫茶店

僕が大学生くらいまでは、「ロック喫茶」というジャンルの喫茶店がありました。恐らく僕らが最後の世代だったと思います。今では、ネットで調べても写真一枚も出て来ません。

キタでは阪急ファイブの向かいに「キューピット」という名前のロック喫茶がありました。天井から数台モニターを吊り下げ、ロックのプロモーションビデオを流していました。

ミナミでは、このマッチが残っているように、「ビートルズ」というロック喫茶がありました。こちらは地下にある薄暗いお店で、トンネルのような作りの店。1番奥に大型のプロジェクターが設置してあり、プロモーションビデオを流していました。こちらは珈琲1杯で1曲リクエストが出来ました。昼はハードロック、夜はソウルっぽい音楽を売りにしていました。コーヒーは1杯300円で、2時間が原則。(あくまで原則)年中無休で、午前11時から午後11時まで営業。

テーブルにはガラス板。テーブルとの間に雑誌から切り抜いたロックミュージシャンの写真が。プロジェクターには「レッドツェッペリン」や「レインボー」のライブが映し出されていました。ハードロックがメインで、僕などはストーンズをリクエストするのが精一杯で、「ビートルズ」という名の店なのに、ビートルズが流れない。(笑)
 
そして、これだけは言っておきたい。僕以外のお客って、みんな不良たちばかりでした。髪型がそもそも変だし、絶対に未成年なのにタバコを吸っている。でも、お金がないから、珈琲1杯でも何時間も粘る。1度、そもそも店内はロック音楽でウルサイのですが、更に大声で喋っている高校生たちがタバコをスパスパと騒々しいので、「未成年は吸わんとけ」と、柔道部の先輩が注意したらコップの水をぶっかけて来た。僕は身を挺して先輩に水が掛からないようにして、4人組を外につまみ出して。後は想像にお任せします。(笑)
 
80年代に入り、「ベスト・ヒットUSA」の放送がスタート、こういうロック喫茶でも、その録画が流されるようになり、次いでスタートした「MTV」によって、週末に約4時間(金曜夜11:30~3:00)もロックの最新プロモが家庭でビデオ録画出来るようになるに至り、ロック喫茶は姿を消しました。
 
新御堂沿いのオシャレな喫茶店では、ジュークBOXのビデオ版を設置して、100円で1曲プロモーションビデオを観ることが出来ましたし、「サンタモニカ」等では、字幕は無いけれどビデオを輸入し、「フラッシュダンス」や「トップガン」を店内で流して集客していました。まだまだ著作権がゆるい時代でした。
 
明るいアメリカンなお店の時代の到来と共に、暗い不良のロック喫茶が消えていくのは自然の成り行きだったのでしょう。ここに掲載した地図は1975年当時のものです。あなたにとって懐かしいものが載っているといいですね。


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