昨日ボクシング・井上尚弥の世界戦が開催されました。地上波での放送は無く、世界で大活躍する日本人最強王者の試合は、残念ながら知名度抜群でありながら多くの人の目に触れません。大リーグで活躍するドジャースの大谷翔平選手の大活躍も同じ。地上波のニュースやネットニュースでは連日取り上げられていますが、それは彼の映像に限った話で、大リーグの面白さを伝える肝心の試合そのものは、1部の人しか観ることが出来ません。
前者は「Lemino」、後者は「Abema」が独占中継。どちらも年配の人や高齢者には馴染の無い名前です。
昔は外であればどこの飲み屋に行こうが、銭湯に行こうが、野球中継やプロレス中継を観ることが出来ました。自宅のお茶の間であれば、野球中継と歌謡番組、プロレス中継と「金八先生」「太陽にほえろ」「全員集合」が張り合い、親子でチャンネル争奪戦が繰り広げられたものです。
だから！誰もが知っている、歌える流行歌が毎年数曲誕生しましたし、スポーツが話題になり人気が上昇して、結果競技人口が増えました。ごく1部の富裕層のスポーツだったゴルフが、サラリーマンの必須になったのも、ジャンボ尾崎を筆頭に青木功や杉原輝夫らが優勝争いをするだけではなく、彼らが海外のメジャーに挑戦する姿が話題になったからです。
プロレスなら猪木・新日本プロレス、馬場・全日本プロレス、木村・国際プロレスと3団体が地上波で観ることが出来ました。プロ野球も大阪に住んでいた僕は、毎晩のように読売テレビでジャイアンツの試合、サンテレビで阪神タイガースの試合を楽しめました。長嶋の引退式や王の756号狂騒曲だけではなく、いろんな球団のいろんな選手をみんなが覚えていました。
ゴルフ中継も、マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロは全て衛星生放送・地上波で観ることが出来ました。特にTBSのマスターズとテレビ朝日の全英オープンは、毎年同じ放送局が放送してくれていたので、ストーリーが長年紡がれて来ました。しかし、今年は「U-NEXT」に移行して、全英は地上波から消え去りました。世界の青木が生まれ、渋野がスターになれたのは地上波放送の力です。
地上波放送と後発の衛星放送。加入世帯数を伸ばし利益を上げる為に、コンテンツの争奪戦が激化し、地上波でのスポーツ放送が減少。そこにインターネットの発達と共に今度はネット配信が現れて、コンテンツ争奪戦は更に激化。地上波での放送は瞬く間に激減しました。
インターネット上のSNSでファンが熱く語り合っても、その競技やその人気選手を応援する実数は明らかにTV全盛時代に比べて激減しています。ゴルフも好き、格闘技も好き、野球も好き・・・でも、かつては無料で観戦出来たスポーツイベントを、今同じように観ようと思えば、一体どれだけの料金が発生するか！しかも、いつ何が放送されているかは、新聞のラテ面を見ても分かりません。いろいろな媒体やニュースにアンテナを張り巡らせていないと、ついつい見逃してしまいます。
携帯電話は便利なツールとして登場しましたが、今では誰もが持っていて、もう少しすると持っていないと生きて行く上で困るようなツールになるかも知れません。何でもデジタル化して行くので、PCかスマホが高齢者にも必須になり、4年くらいでアウトになる高額な機器であるスマホを、一生買い替え続けなければならなくなる。もう企業の思うつぼ。僕らは奴隷のように、税金を取られるのと同じ感覚でスマホを持ち続けないといけなくなる。今スマホを持てば、電話だけの契約はありません。かつてお米が不作だった年、タイ米と抱き合わせで無理やり売りつけられたのと同じ。
スポーツやドラマ、映画といった誰もが楽しむ大衆の娯楽コンテンツが、放送元が増えて行くに従って観れなくなる。いくつもの契約が必要となり、そのたびにパスワードやIDが増え、支払いが増える。誰でも見れる民放テレビの番組の質は落ちる一方で、加えて出演者の民度も下がるばかりで、正しい日本語を話せない人がどれだけ画面に出ているか。その果てには誰かの不祥事で、番組自体が消えてしまうことも。
そしてマスコミの偏向報道が呆れるほどに増え、あるいはまともに取材もせずに、政府や警察発表を流すだけ。それに止まらず、番組のネタをYouTubeに頼る番組まで。果ては天下のNHKが売国行為とも言えるような間違った報道を流し、受信料を払えと網を張り巡らす。日本中、金儲け、搾取団体が増え過ぎて息が詰まります。
お金なら高額料金であっても喜んで払ってあげます。1つの支払いで全て観れるならば！年寄りはいろんなデバイスを駆使して、ややこしいIDやパスワードを駆使して、面倒な手間暇をかけるのが大嫌いです。「Lemino」「Abema」「U-NEXT」・・誰もが読める日本語名はどこに行った？こういう面々に放送内容で苦情を訴える時の、つながる電話番号は？誰も分からない、知らない・・・こんな怖い世の中はこれまでに無かったと思います。
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アリは猪木戦の直前にプロレスラーと戦っていた! プロレス発掘秘史
瑞 佐富郎
宝島社
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