4月に入り、学校や多くの企業が新しい期を迎えました。桜も満開を迎え春本番ですが、春は新旧入れ替わりの時期でもあります。僕にとっては、嬉しさの中にもちょっと寂しさを感じる季節です。
阪急宝塚線・曽根駅前には、1971年の開業から今日まで営業しているダイエー・曽根店がありますが、これは現存するダイエー最古の店舗です。しかしながら今年の10月には残念なことに解体工事が始まります。また、その隣にはボーリング場で親しまれたヴァイキングビルもありますが、そちらも時同じくして解体となります。写真は2011年のダイエーとヴァイキングビルです。
しかし、曽根駅はかつて「西の芦屋、東の曽根」と言われた高級住宅地だけのことはあり、歩いてみると昭和の歴史が生き残っていて嬉しくなります。
曽根と言えば、この「喫茶タンネ」でした。昭和42年に開業し、曽根駅に近く、山小屋の雰囲気がある喫茶店として多くの人に親しまれ、僕も学生時代には何度も足を運びました。「タンネ」とはドイツ語で「もみの木」のこと。赤い屋根に風見鶏があり、天窓から四季折々の光が入り、店の周りに蔦が絡まりバラの垣根や、いろんな花の楽しめる店でした。
写真は昭和52~3年(1977~78年)の頃のもので、隣の池田銀行も懐かしい。曽根駅前の再開発で、この懐かしいお店も消えてしまいましたが・・・
今もその姿を変えて、2001年3月から曽根駅前ビルディングの一階の奥に、バックガーデンを持つカフェとしてリニュアルオープンし、現在も営業を続けられています。
そしてこちらも懐かしい写真です。
戦後すぐから曽根駅前にオープンした山寺時計・眼鏡店の昭和30年代後半(1960年代)の写真です。このお店も駅前再開発で現在はこの姿を見ることは出来ませんが・・・
現在も同じく曽根駅前のビル1階で、認定眼鏡士のいる専門店として営業されています。
お店の姿形は変わっても、サービスを行うお店の人の心が同じであれば、令和の現在でもそこには昭和の温かみが残っています。曽根のダイエーの取り壊し前に訪れる方は、ぜひこちらのお店にもお立ち寄り下さい。