青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

「木綿のハンカチーフ」は盗作?

2020-12-07 | 青春の音盤

こんな歌詞の曲があります。ボブ・ディラン作詞・作曲の「Spanish boots of Spanish leather (スペイン革のブーツ)」という曲です。

 

ああ、私は旅立って行くわ、心から愛するあなた
朝に私は旅立って行く
海の向こうからあなたに送ってあげられるものが何かあるかしら
私が土を踏むことになるその地から

いや、僕に送ることが出来るものなんて何もないよ、心から愛する君
欲しいと思うものなんて僕には何もない
すれたりすることなく、僕のもとに帰ってくれるだけでいい
二人を隔てる広大な大海原の向こうから

ああ、でも何か素敵なものがほしいんじゃないかと思ったの
金や銀でできたものを
マドリードの山の中
それともバルセロナの海辺で見つけたものを

ああ、僕の為に暗闇に星が出るとしても
大海原の底深く沈むダイヤモンドが手に入ったとしても
君の甘いキスのためならいつでも捨てられる
僕が欲しいのはそれだけなのだから

長いこといなくなるかも知れないから
ただ聞いているだけなの
何か私のことを思い出してもらえるようなものをあなたに送れないかな
離れ離れの時間、あなたがもっと楽に過ごせるような何かを

ああ、よくも繰り返し聞けるものだね
僕の悲しみを募らせるだけなのに
今日君にしてほしいことを
明日もしてほしいだけなのに

1人寂しく過ごしている日に手紙が届いた
船に乗って旅に出た彼女からの手紙
いつまた戻って来るか分からない
それは自分の気持ち次第と書かれていた

愛する人よ、そんな風に考えてしまうなんて
君はきっと心がぐらついているんだね
君の気持ちは僕から離れてしまい
これから向かう国のことでいっぱいなんだ

気を付けて、西から吹き付ける風に気を付けて
激しい嵐にも用心して
そう、何か僕に送ってくれるというのなら
スペイン革でできたスパニッシュ・ブーツがいいな


この曲は1964年に発表されたアルバム「THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN'」に収録されており、皆さんの頭に浮かんだ日本の有名の曲は1975年12月21日に発売されていますので、ディランが盗作したのではありません

 

ディランの歌詞を見て、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」を思い出した人は多いと思います。歌詞が似ているだけではなく、男女の気持ちが代わる代わる歌われるという曲の構成自体まで同じです。ディランの曲では、離れて行くのが女性ということで、木綿とは逆ですが。(僕は太田裕美さんのファンで、シングル・アルバムを全部持っています。彼女への誹謗中傷記事ではありません。)

「木綿のハンカチーフ」という曲がこれまで世の中に無かったとして、僕が今、この曲を世に出していたら、きっと世間は「盗作」だと言うでしょう。しかし、それなりに名前が通った人がすると三谷幸喜ではありませんが、「オマージュ」「~をモチーフにしてる」「~を下敷きに」「~にインスパイアされて」等と言われます。これって、日本が文化的にまだまだ子供だという証ではないでしょうか?

ドラマ「古畑任三郎」は「刑事コロンボ」の盗作としか思えない。キャラクター設定だけではなく、内容が酷似しているエピソードが多いからです。「盗作」と「モチーフ、インスパイア」の違いは、発表する人間に誇りがあるか無いか。そして、それを評価する社会のレベルがどの程度なのかに関わる問題ではないでしょうか?どう見てもディズニーランドやどこかで見た有名なキャラをオリジナルだと主張する国と、それを盗作だと指摘する国がある。その他国の盗作を指摘する国で、今回取り上げた曲が盗作だとされないのは如何なものでしょうか。



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