平成も残すところ後少し・・・。そんな折に、残念なお知らせです。
TOHOシネマズが鑑賞料金を改定。6月1日から一般1900円に料金が値上げとなります。僕が自分のお小遣いで映画に行くようになったのは、中学1年の時。お小遣いを貯めてというよりお年玉を切り崩し、前売券や割引を使って1000円前後の値段で映画館に足を運んだものです。勿論繁華街までの電車賃も、馬鹿にはなりませんでした。
写真は70年代の梅田駅前。この正面の建物から、左サイドの映画館が、現在のHEPナビオ・ヘップファイブになりました。
青春時代に何百本も映画を鑑賞して来ましたが、お金の無い僕は、そのほとんどが試写会でした。(笑)それでも、いろんな友の会のようなところの安売り券を買って、年間数十本も鑑賞していました。高校~大学当時の値段は、僕が今も持っている半券(下の写真)からも分かりますが、900円~1000円。
その後1050円、1100円と、少しづつ値段は値上がりし続けました。ここ数年据え置き期間が長かったのは分かりますが、1900円は正直高い。僕はシニア割引を使えるようになるまで、あともう少し!(笑)今回の値上げでさらに心待ちにしています。
テレビでの映画放送、レンタルビデオの普及で映画館への来場数が減少し、劇場維持のために料金が値上がりして来たのは分かります。現在ではネット配信が普及し、レンタルDVDの店舗は一人勝ちのツタヤさえも店舗はどんどん閉店中。大劇場がシネコン化し、娯楽としての映画館の役目は終焉に向かっているのでしょうか?僕はそんなことはないと信じています。でも、いつ映画館に行っても、かつてのように客席が満員ではないのが気がかりです。
中学の頃は映画館にテープレコーダーを持ち込み英語を録音。(違法ですが、昔は映画館の人が、熱心だねと言ってくれた大らかな時代でした。)テレビで映画の二か国語放送、ステレオ放送が始まると、すぐにその受信機を買い、英語を録音。ビデオが出るとそれを購入。そして、レーザーディスク~DVDと進化すると、字幕や吹替えの切り替えが可能になり、英語学習に映画を使うことは、どんどん誰にでも、いつでも可能なものになりました。
しかし、その反面いつの間にか洋画・洋楽の求心力が衰え、インターネットの普及と共に、海外への憧れというか、新しい流行は海の向こうからやって来るというような社会ではなくなりました。モノが無いからこそ必死でつかみ取りに行きますが、いつでも手に入るとなると、後回しになるからでしょうか?映画を字幕なしで観たいという動機で英語を学び始め、毎日映画を見るというような勉強方法も、そんなことをしている学生も、今はほとんど見かけなくなりました。僕の母校の大学では、映画研究会・ESSなどの活動を行う学生も、年々減少しています。
映画館の料金値上げは、ますます劇場から人を遠ざけ、人と一緒に映画を楽しむ機会を減らしてしまい、業界の地盤沈下につながるのではないかと危惧しています。映画や音楽は一人で楽しむものではなく、人と一緒に楽しむものだと僕は思うのです。映画館、コンサート、ドライブ・イン・シアターというような場所に、友人たちと連れ立って足を運んだのは、ついこの前のような気がするのですが。