昔は夏といえば「小麦色の肌」。色白では健康的に見えないので、日焼け止めではなく、綺麗に日焼けするようにサンオイルを塗って体を焼いたものです。故・夏目雅子さんの健康的な水着ポスターのように、みんな小麦色に焼くのが流行していました。
ところが、最も密接な近場にあるプールと言えば「市民プール」なのですが、そこでは体にオイルを塗るのは禁止。飲食もまず禁止。だから高校生ともなれば、みんな市民プールを避けたものでした。
で、どこに行くかと言えば料金の高いオシャレなプール。今はもう無くなりましたが「ミリカプール」や「阪神パーク・デラックスプール」や「セルシー・スカイプール」、「エキスポランドのプール」に泳ぎに行ったものでした。飲食も出来るし、オイルも塗れる、滑り台や造波装置も備えた楽しく広いプールに足が向くのは当然の成り行きでした。
ここは池田市民プール。この市民プールは昭和38年(1963年)に、旧・池田市民体育館と並んで、現在の五月丘小学校の東側に出来ました。夏は実に露天が気持ち良かったものです。レーンで区切られておらず、大人も子供も自由に泳げるプールでした。この写真は昭和50年(1975年)のものです。
小麦色の肌など求められず、美白が歓迎される現在では、プールもどんどん閉鎖されて行くばかりです。スイミングスクールこそ「お稽古」の1つとして通う子供もいますが、小中学生が友達と連れ立って行く市民プールは、北摂では今ではほとんど残っていません。「曽根の市民プール」や、「服部の緑地プール」、「大門公園のプール」などはいつの間にか消えてしまいました。寂しいものです。