「貧困大国アメリカ」や「政府は必ず嘘をつく」などの著作でセンセーショナルを巻き起こした未果さんの告発シリーズ第6弾。
あらゆるものをデータ化し、利益と効率を優先し、四半期で結果が出なければ無駄として切り捨てる、いわゆる「いまだけ、金だけ、自分だけ」という価値観。
加えて、違法でないかぎり何をしても良いとして納税の義務さえ果たさず、税金で賄われる公共サービスを利用しながら、生み出した利益はタックスヘイブンに貯め込み私腹を肥やす。
こうした、1%の持てる者のみが繁栄する世の中で良いのだろうか!
むしろその対極にある、暮らしや文化や伝統を重んじながら顔の見えるものづくりと、数字で測れない価値を持つ教育や困った時に助け合う共同体が共有する「お互いさま」の価値観を大切にする社会こそ、まっとうな世の中ではないのか。
そうした世の中を実現する道筋と手立ては、果たして存在するのだろうか。本書は、それを内外の豊富な情報を駆使して提示する。ご一読をお勧めしたい。(お勧め度:★★★)