アーバンライフの愉しみ

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島崎藤村著「夜明け前 第二部」

2016年12月12日 | 名作読破PRJ

古今の名作を読破したいとの思いから手を付けた藤村ではあったが、分量は兎も角、そこに描かれた物語の重さに打ちひしがれた思いだ。

 

これは、先に読了した第一部に続く物語だが、木曽馬籠宿の本陣と庄屋を兼ねた第17代当主となった青年青山半蔵(藤村の実父正樹氏がモデル)の後半生を維新から明治と激変する世相と共に描いた長編。

平田篤胤の門人として復古主義の理想をめざす半蔵であったが、維新政府の政治はそれと大きく異なる方向へ進み、木曽山林事件の首謀者として戸長の座を追われる。晩年、半蔵は失意の内に発狂、座敷牢で生涯を閉じる。何ともやるせない結末だ。

それにしても、忍耐強く(文庫版1,745頁の大作を)読み通すことができたものだと思う。

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