アーバンライフの愉しみ

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爽快~木村草太著「憲法という希望」

2016年12月17日 | 読書三昧

今や、お茶の間のアイドルと化した木村先生だが、この本を拝見してやはり只者ではないと思った。

それは、憲法などという一見怪物のような存在を、いとも簡単に且つ、平易に解説してみせることである。

例えば、自身(憲法学者)の役割についても・・・

『憲法学者にとっての当たり前とは、絶望せずに社会のあるべき方向性を示すことだと思う。

今は理想からはるか遠くにいるように思えても、いつかたどり着くべき理想を訴え続ける人がいなければ、理想そのものが失われてしまう。

いや、より正確には、理想を示すのは憲法学者ではない。近代立憲主義における尊厳の担い手である「個人」なのだ。

憲法学者は、「個人」が憲法を実現していくのを、専門知識を持つものとして手伝っていくだけだろう。

憲法学者のなすべき当たり前のこととは、立憲主義のために活動している個人に、緻密な理論を提供することだと思う。』

と説明する。納得である。

この本の第二の特長は、NHK「クロ現」の人気キャスターだった国谷裕子さんとの対談というとびきり美味しいおまけがついていることである。内容は読んでのお楽しみとしよう。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

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