アーバンライフの愉しみ

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なかにし礼著「夜の歌」

2017年04月02日 | 読書三昧

著名な作詞家で作家のなかにし礼氏の最新作は、同氏の人生を概括した自伝的小説となった。「サンデー毎日」2015年6月~16年10月連載、459頁の大作。

同氏は、1938年中国黒龍江省(満州)牡丹江市生まれ。
1945年8月9日、ソ連が国境を越え怒涛の如く押し寄せて来たため、軍関係引揚者に混じって脱出を図るもハルピンで抑留生活を余儀なくされる。

この間、戦争の恐怖と戦争によって野獣と化す人間の醜さを身をもって体験することとなった。
帰国後も過酷な生活を強いられるが、シャンソンなどの訳詞家として下積みを経験、後に人気作詞家として大成する。 

2015年、ガンの再発によって生死の境を彷徨いながらも奇跡的に回復、「最後の小説」の執筆に精魂を傾けた。

蛇足:読了後、同氏が作詞して大ヒットとなった歌の数々を(youtubeで)試聴した。特に、菅原洋一氏が歌った「知りたくないの」やレコード大賞を獲得した「今日でお別れ」などは、とても懐かしかった。

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