アーバンライフの愉しみ

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佐藤正午著「月の満ち欠け」

2023年09月10日 | 読書三昧

 

2017年上半期第157回直木賞受賞作。
全編書き下ろし、岩波書店刊、322頁の大作。

なんとも不思議な物語である。
俗に言う「輪廻転生」という概念を、実社会に当てはめて丁寧に丁寧に文章化し、壮大な虚構を作り上げた。

いずれにせよ、筆者の筆力の高さには驚かされた。小説家が皆、このような筆力を獲得すれば、どんな物語もいかようにも書くことが出来よう。

選考委員評:伊集院静氏
「それにしても奇妙な物語である。まあ本来、小説には奇妙、摩訶不思議な所が備わっているものであるが、これを平然と、こともなげに書きすすめられる所に、作者の力量、体力を見せられた気がする。この作品のテーマは、人の死のかたちなのだろう。死のかたちが広過ぎるなら、死の余韻でもいいかもしれない。」

 

 

 

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