アフロ髪の元朝日新聞記者、稲垣えみ子さんのピアノレッスン騒動記。
「ショパン」2018年1月~21年12月連載、ポプラ社刊、269頁。
同氏は、50歳で新聞社を早期退職。
53歳で始めた(再開した)ピアノレッスンは、苦難に満ちたものであった。
前作の「寂しい生活」が面白かったので、引き続き本書を拝見した。
曰く、「私にとってピアノとは、老い方のレッスンなのかも知れない。どれだけ衰えてもダメになっても、今、この瞬間を楽しみながら努力するのかどうかが試されているのだ。もしそれができたなら、これから先、長い人生の下り坂がどれほど続こうと、何を恐れることがあろう。」
また、聴くだけでなく「弾く」ことによって、楽聖ベートーヴェンにさえ「対峙する」ことができるという。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)