昨日ご紹介した稲垣さんの「老後とピアノ」で語られたカティア・ブニアティシヴィリによるシューベルトの「即興曲第3番」を聴いた。
彼女(稲垣さん)はこの演奏にほれ込み、自らもこれを弾くべく練習に励んだとおっしゃるが、小生は従来、カティア・ブニアティシヴィリがシューベルトを演奏することに違和感があった。
結果、このアルバムを聴くことはなかったのだが、今回聴いてみて彼女が惚れこむのも無理ないと思った。
つまり、演奏技術とかの問題ではなく、カティア・ブニアティシヴィリのこの曲に込めた魂のようなものがわかったからである。それは、いらだちを覚える現代にあっても希望を捨ててはならないというメッセージであろう。
さらに、ボーナストラックにある歌心あふれる(リスト編曲の)「セレナード」がすばらしい。
収録曲 シューベルト
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960
4つの即興曲 Op.90 D.899
セレナード(リスト編曲)S.560
演奏
カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)
録音 2018年12月 オーストリア マルクス・シティクス・ザール Sony Classical 19075841202