LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

親のカミングアウト

2006年09月10日 | Weblog
☆先日「偏見からの自由」を投稿してくださったお母様から、今度はお母様のカミングアウトについてのご投稿をいただきました。親もまたクローゼットに入ってしまう場合が多い中で、それもクリスチャンというお立場では、教会のニュースレターに載せることはさらに勇気のいることだったと思います。けれどアメリカの地でこのお母様の原稿を読んだ人たちの中には、認識を新たにする人、考えを改める人、そして勇気をもらう人がたくさんいることでしょう。(読みたいので英語でも書いてほしいといわれたそうです。)「子どもは長い間ずっとそんな思いをしてきたのに・・・」「本当は同じ思いをしている人はたくさんいるのですけど・・・」同感です。だからこそみんなでつながって、気持ちを交換し合って、「心の偏見を取り除いて」いきたいものですね。私もたくさんの勇気をいただきました。ほんとうにありがとうございました。

「親のカミングアウト」

今日、教会のニュースレターの発送作業をお手伝いしてきました。私の原稿も載っています。この原稿、何かに促されるようにしてほとんど推敲することもなく一挙に書いたものですが、いざ、実名で見ず知らずの多くの方々に読んでもらうことになると思うと、ちょっと大胆過ぎたかな、と、このところ少し気持ちが揺れる時もありました。

いわば、親の世間へのカムアウトのようなものですから。でも、どうしても、やらなければいけない、という感じですかね。自分で「こんなこと、嫌です。」と反抗してみても逃れられない、、という感じ。

子どもがカミングアウトしたら、親の方は「世間に顔向けできない。」と反対にクローゼットに入ってしまうとも言われています。子どもが何年もかかってその困惑状態から脱して自分自身のアイデンティティを確立する道筋を親も同じようにたどらないといけないわけですものね。堂々と人権活動をしている当事者たちも親にだけは言えないという人が多いのが、日本の現状だそうです。分かる気がします。それほど、まだまだ厳しい現実があるのでしょう。

実際、私も子どもからカミングアウトを受けた時には、地球上にたった一人で孤独に置かれているというような気分になったりしたものでした。子どもは長い間ずっとそんな思いをしてきたのに、、、です。本当は、同じような思いをしている人はたくさんいるのですけどね。

子どものカミングアウトで私も変えられました。親や家族が変わり、それが周りにも波及していくというようなやり方が、回り道にみえても、心の偏見を取り除いていく一番の近道なのかもしれません。そして、偏見が少なければ少ないほど人間は幸せを感じる度合いが増えてくるように思います。これ、実感です!

家族や友達それに牧師に支えられ、幾つかのサポートグループのサイトから学び、いくつもの山を越えた感じです。一番は、やはり当の本人が揺らがず堂々としていてくれたからかもしれません。

みなさん、どうもありがとう。

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講演会をします!

2006年09月10日 | Weblog
まず、この会のホームページができました。数名の方からこの会のことがよくわからないし、連絡がとれない・・という声がありましたので、作っていただきました(自分で作れないのが悲しいです・・)。メインのお知らせはホームページに載せ、日々のご報告などはブログに載せていきます。メールもいただけるようにいたしましたので、どうぞみなさんの声をお寄せください。

尾辻かな子さんもホームページでご紹介くださっていますが、今日はこの会のホームページに載せています講演会「こうべ男女共同参画フォーラム2006市民企画事業――人間の性の多様性を認め合う社会に」についてご報告します。

活動を始めたころ、行政のどこに行けばこのようなことを取り扱ってくれるのか尾辻さんに伺ったところ、男女共同参画で扱っているとのこと。届いたばかりの市の広報紙を開けてみたら偶然この市民企画事業の募集が載っていました。早速応募し、企画してプレゼンテーションに臨みました。11団体中6団体が選ばれるというので、緊張しながらも尾辻さんのお母様と二人でこれまでの思いを訴えました。プレゼンテーションの審査をしてくださった方々はこの問題に非常に造詣が深いようで、「尾辻さんのサイトは時々見ています」とか「播磨の小学生のこともあったので、幼稚園をはじめすべての学校に送ってみてはどうですか」とか「条例の一文を載せるといいですよ」「2時間あまりではもったいない」「部屋が狭すぎるかもしれませんね」など、その期待の大きさをひしひしと感じました。それまでは行政のどの「人権・・会」というところに行っても正しい知識をお持ちの方はいなかったのに、「行政にもこんなところがあったんだ・・」と驚くやらうれしいやらでした。認可が下りて、チラシを作成し(ホームページからダウンロードできます)ご案内状を添えて、神戸市内の市立と私立小・中・高校、そして阪神間の私立・県立高校424校に発送を終えました。

じつはこの案内状を作り終えた先週、息子が自分の学校には自分で持っていくと言って、担任の先生と校長先生にカミングアウトしてきたのです。お二人ともとても真剣に受け止めてくださったとのこと。すっきりとした表情で帰ってきた息子を、私は心の底から誉めてやりました。きっと大変な勇気が必要だったことでしょう。その後、先生からお電話をいただき、「今までこのような問題を知らないわけではなかったけれど、カミングアウトされて学校は今目覚めたところです。まず教師が講演会に参加して勉強を始め、取り組んでいきます」と言ってくださいました。先日講演会の応援依頼に教育委員会に行ったところ、校長先生はカミングアウトの翌日には相談に来られていたそうで、真剣に取り組んでくださっていることを感じました。

はたして424校のうち何校からご参加いただけるのか、これからいろいろなところに応援をお願いしていくつもりです。(終了後はどの学校から来てくださったのか、子どもたちのためにもブログでご報告したいと思っています。)なぜ学校を対象にしたのか。それは教育の場が変わることで多くのLGBTの子どもたちが孤立から救われるだろうと考えるからです。「人権・・会」の人たちでさえ正しい知識は持っていない。先生方も学ぶ場がないのです。責めることはできません。本来なら国が、文科省が、法務省が、教育そのものにメスをいれて取り組むべきことなのでしょうが、国を動かしている人も何も知らない、むしろ知らないことにも気付いていない、ジェンダーなんてという偏見に満ちた人が多いようですから。それなら人間の性の多様性を知った、そしてここに問題があることを知った私たちから、先生方に正しい知識を持ってもらえる場を提供していかなければなりません。

チラシにはこのブログのアドレスも入れました。興味を持った先生は読んでくださるかもしれません。

☆先生方へ
 あなたの学校にも必ずLGBTの子どもたちがいます。ひょっとしたらあなたの子どもが、兄弟が当事者かもしれません。社会にいろいろな差別はあるけれど、これは家族の中にも存在するのです。当事者の子どもは家族の中でたった一人、この問題と向き合っています。息子もそうでした。誰にも言えないからです。何も知らない親や兄弟のすぐ横で、どれほど孤独で、不安な毎日を送っていることでしょう。些細なことでも悩んでしまう思春期の子どもたちです。想像力を働かせてみてください。「これは思春期の子どもが持ついろいろな悩みの一つにしか過ぎない」と言った先生がいましたが、果たしてそうでしょうか? 自傷行為や自殺に至るケースは、アメリカの調査では異性愛の子供たちの数倍に上るということです(日本ではそのような調査さえできません)。先生方自らが「おまえらホモか」のような差別発言をしてはいませんか? そのような子どもたちのからかいの言葉を聞いたことはありませんか? 偏見に満ちた社会の中で、多くの未来ある若者が自己肯定できないままでいるかもしれません。先日も自殺願望を持ったお子さんのお母様からご相談がありました。そして当然大人になっても状況は変わりません。生きにくい思いをしている人が大勢いるのです。教育が取り組む問題です。そして人権の問題なのです。どうかこれを読んでくださった先生方、講演会に足を運んでください。先生一人の認識が変わることで、きっと多くの子どもたちが救われるはずです。そして日本の中の神戸という一つの街から、何かが変わり始めてほしいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。


黙っていては動かないのが社会です。東京のパレードの前のシンポジウムで東京区議の上川さんがおっしゃっていたように「見えないものに行政はお金を出さないし、そのために動くこともない」のですね。でもたった一人が動くことで誰かがその存在に気付き、その波紋は必ず広がっていくことを信じて、これからも声を上げていきたいと思います。

◎もちろん一般の方も参加できます。まず知ることから始めたいという方、またカミングアウトされて悩んでいるお母様やお父様などいらっしゃいましたら、是非ご参加ください。

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