6月19日(日)、第41回神戸ミーティングを行いました。ゲストスピーカーに神戸市看護大学助産学専攻科教員の藤井ひろみさんをお招きして、「生まれてきたってこんなこと――LGBTと家族のはじまり」というテーマでお話していただきました。参加者は34人。今回は初めての参加者も多く、藤井さんのお話を是非聞きたいと東京から参加してくださった方もありました。
藤井さんご自身が「生殖は異性愛者のモノではない」と思うに至るまでのさまざまなご経験、出生・出産のメカニズムについてのお話、生殖補助医療の実際、最後にLGBTと家族について・・と、その内容はとても興味深く、これまでにはない視点からのお話でした。
「出産経験の有無はそれぞれでも出生は誰もが経験しているはず・・」というお話の後、赤ちゃんが長い時間をかけて自らの力で回転しながら生まれ、初めて肺呼吸をして産声を上げる、という出産シーンのビデオを見せていただきました。産む側の視点ではなく、生まれる側の視点でこのような映像を見ることで、「自分はこうして生まれてきたんだ・・」ということにみなさん感動されたようでした。中でも、胎盤や臍帯、羊水といったものは胎児自らが作り出し、その環境の中で育っていく、というお話には、つなぐ会の母一堂驚きを隠せませんでした。「母親が作ったんだとばかり思っていました・・」(笑)母が産んだというより、むしろ一つの生命が育ち力強く生まれてきた・・ということを改めて感じたシーンでした。
数ある卵子や精子の中で生き残ったものが受精し着床して育つ・・これは男女の愛とは別の問題として進んでいくこと、という藤井さんからのお話に、こうして生まれてくる生命を、血縁のあるなしにかかわらず大切に守り育てることが、先に生まれたものの使命であることを思いました。そう考えればアメリカなどで人口受精や代理母、そして養子という制度が進んでいることも頷けることだと思います。
後半の話合いの中で、当事者のみなさんからは、自分たちが家族を作ることは考えていなかった、また考えてはいけないことだと思っていた、という声もありました。そのようなモデルケースがなかったから・・と。多様な家族が存在すること、そしてそれぞれが幸せを追求する権利をもっていること。社会がこれを当然のこととして受け止めるのにどうしてこんなに長い時間がかかるのだろうと思います。
開会の前でしたが、理事長から「6月17日、国連人権理事会で同性愛者の人権を支持する決議案を可決した」という報告がありました。「米国務省も『歴史的一歩』と称賛・・」と。
ほんとうにうれしいニュースです。日本も賛成に投票したそうです。ならば!国内でしなければならないことがあるはずですね。大いに期待したいところです。詳しくは
http://www.cnn.co.jp/world/30003106.html でお読みください!!