11月4日(日)13時30分~16時30分、兵庫勤労市民センターにて神戸ミーティングを行いました。当日の参加者は13名でした。(当事者のご家族およびご友人8名、バイセクシュアル(パンセクシュアル)の方1名、トランスジェンダーの方2名、アライ(理解者)の方2名)
連休と言う事もあってか、いつもよりも少なめの人数でしたが、その分、肩ひじ張らずにざっくばらんな感じでお話が出来て和やかな雰囲気でのミーティングでした。
今回も当事者ご両親で参加される方が2組いらっしゃいまして、カミングアウトを受けた時の家族間での「情報共有」について話題になりました。
お子さんがゲイだとカミングアウトされたお母さまより、最初は「海中に入ってしまった」状態で、ご自身の中で「消化できるもの」と「消化できないもの」があり、親として大きな葛藤もあったとの事。特に「消化できない」ものでは、特に親族関係に対してどこまでオープンにしたら良いか?迷われたとの事でした。しかし、お子さんの兄弟姉妹について、SNSを通して情報共有する事ができて家族間としては理解が進んだし、その後、実際にパートナーと会われた時、自然体で愛し合う2人の姿を見てパートナーに対し「ありがとう」の気持ちでいっぱいだったとお話しされていました。
その一方で、インターネット上では当事者向けのSNSも多数あり、当事者が安心して参加できる「居場所」として機能しているコミュニティと「出会い目的」のコミュニティが混在しているのが現状で、親御さんの立場として、どれが安心できるものなのか?解りにくいとの声もありました。
また、アメリカに在住している当事者のお子さんを持つお母さまより、現地の会社に就職し、安定した生活を送りつつあったのに、最近、トランプ政権がLGBTに対する差別的な態度を示している事に対してとても不安を感じているとのお話がありました。
また、日本でもまだまだ「生きづらい」社会であるのも事実です。トランスジェンダーのお子さんを持つお母さまからは、学校を卒業し会社に就職したものの、職場の雰囲気になじめず、数か月後に退職し、現在引きこもり状態になっているとのお話もありました。
トランスジェンダーの中でも、とりわけ女性として生活したいMTF当事者は、学校やアルバイト等で外出を何度か試みても、どうしても周囲の目が気になってしまい、引きこもってしまうと言う複数の当事者のお母さまからお話がありました。私自身も多くのトランスジェンダー当事者とお会いする機会がありますが、全く気にする必要もない容姿なのに、どうしても周囲の事が気になったり、心ない事を言われたりして、自己肯定感が低くなってしまうのも事実です。
ご家庭の中はもちろんですが、学校や職場、地域の中で、当事者が「ありのままの自分で良い」と心の底から安心できる社会環境作りを進めるためにも、今後も継続的に教育や啓発活動が必要だと改めて感じました。(あやか)