緊急事態宣言明け4月4日のミーティングは、全員初参加の親御さんばかりとなりました。
先ずは「つなぐ会」についての紹介と、理事が子どものカミングアウトのバトンを引き継いだ由などを皮切りに全員の自己紹介から。子どもたちのセクシュアリティはレズビアン、トランスジェンダーなどそれぞれ、年代もそれぞれ、カミングアウトの話から、仕事、手術、パートナーの話など色々な角度から親子関係の有り様が話され、お互いに客観視しながら語り合い、意見を出し合いながら、自らの家族関係を改めて見直すよい機会になったと思います。
意見交換しながら感じるのは、若い親御さんはセクシャリティの知識が比較的高いので、子どもを受容しながら支援する態勢がある。が、意外にも子どもの周りには旧態依然の価値観の持ち主がチラホラといるようで、そのギャップに子どもは戸惑う。そういう状況を聞くと、やはり親だけが理解があっても子どもを支えるには限界がある、社会全体の認知度を上げていく活動の必要性を痛感します。
片やジェンダーについて学んでいない世代の親御さんは、子どものカミングアウトは青天の霹靂。かく言う私もその態で、性同一性障害という言葉はドラマの世界の話で身の回りにはないものと思っていたほど。同様に、我が子の現実に面食らい悲嘆にくれる親が多い様です。今の社会はセクシュアリティに対する認知が進み、これから更に改善されていくであろうと世界の趨勢を見ても思われますが、その辺りの推移はなかなか実感として捉えがたく、親は子どもの行く末を案じ、ひたすら悲しみ、勘違いだと思いたい。セクシュアルマイノリティの生きられる世界は水商売しかないと思い込んでいる方も多いので、子どもの将来に希望が持てない。それを、希望のあるエピソードを交えながら現状の明るい兆しを提起していくのがこの集いの意義なのでしょう。そのためにも、セクシュアルマイノリティでありながら懸命にこの社会で生きている当事者の参加は欠かせない、と今更ながら思いました。10のエピソードより1人のトランスジェンダー、1人のレズビアンとの出会いが、親御さんの目の曇りを取り除く。私がそうだったように。様々なセクシュアリティの方々との出会いに新しい発見があり、新しい価値観を見出し、ロールモデルの生きざまが勇気と希望を与えてくれたのだと思います。
ミーティングの最後に絵本を読みました。ヨシタケシンスケ氏の『みえるとかみえないとか~ちがいをかんがえるえほん』、宇宙を旅する宇宙飛行士さんが様々な宇宙人と出会いながら、お互いの違いを驚きながら認め合っていく、面白くも考えさせてくれる絵本です。人はそれぞれに違います。その違いを好奇心旺盛に見ることができたなら、人と人との関係は豊かな広がりをもたらすのではないか・・・
「我が子の未来も大丈夫。きっと仲間たちと共に生きていける」と思えたのは、数々の出会いのおかげです。マイノリティであることに絶望するのではなく、葛藤しながらも向き合って受け止めていく、その道の先に、従来の価値観では及びもつかなかった新たな世界が開かれています。
子どもは自身の道を探っていく。私達は応援団として一緒に歩いていきましょう。
今週末は東京レインボープライド、オンラインパレードです❕