![]() | ホテルローヤル |
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集英社 |
直木賞受賞作。連作短編集です。
つなぐのは、ラブホテル“ホテルローヤル”。いろんな人がでて、去って行ったり、残ったり。ホテルローヤルが舞台になっていなかったり。
でも、読み終わるとその周辺の景色が残りました。
凄い事件や情感を奇をてらうように描くのではなく、たんたんと切り取るように描く文体。
人間の日常はただ続くだけなので、感情の上のゴールなんて明確にありません。
ネットで情報を調べていると著者のこんなインタビューが“作家の読書道”。
その中の言葉「背景がないと人は動かないと思うんです」すごく当たり前なんですが、けっこう忘れがち。
というか背景を感じさせないんですよね、うまい作家さんは。
これ、落語にも共通するように感じました。