この夏、文楽でも見た「夏祭浪花鑑」の歌舞伎版を見に行きました。
今話題の愛之助さん。高い席から埋まっていて3階席にはまだ余裕がありましたよ。
今回は歌舞伎はじめての友達と行ったのですが、3階桟敷ってどんな感じだろうと思ってそちらを取りました。
正面から見てる感じではありませんが、舞台が近いので顔がはっきり見えること、花道を見降ろす形になるのがなかなかない見晴らしでした。
壱太郎さんとか吉弥さんとかほーんときれいですし、指の先まで美しい仕草。
さて、文楽でも通しでしたが、こちらも通し。それでも上演されていない段があるのでなんじゃらほいな展開も気にしちゃいけません。
主人公・団七が命にかえてもと守る主君の息子があほぼんでも突っ込んではいけません。ただし、お顔のいい男なのである。
舞台は大坂の夏。
市井の人間たち(侠客やけど)を描いているので、オール大阪弁。
そして、文楽から移入されたものなので義太夫、三味線が地の文を語るところや、セリフも浄瑠璃っぽい節廻しだったり。
文楽にないのはやっぱり生身の人間の動き。
歌舞伎って浮世絵から飛び出してきたような瞬間が何度もあるんですけど、見得をきるとまさしくそんな感じで感動します。
薄い着物なので役者さんの体の動きがよく見える上になにかといっちゃあ裾からげをするので愛之助さんの見事な太ももを何度もめでることができました。
同年代ながらぷるぷるの私の太ももとはえらい違い。比べるところを間違えている。
ただ途中で高いところから飛び降りたときに「ひざ痛めるで!」と私はひやっとしました。同世代として心配。どうぞ、ご自愛を。
長屋裏(義父を殺すところ)では、掛け合いのところで笑いが多く起こり、場内の妙齢ご婦人のスイッチを押しちゃったこともあって凄惨な場面でも【なぜか】何度も笑いが起こっていました。うーむ、ライブだなあ。
違いと言えば、文楽では、だんじり囃子がぶわーーーーと体に入りこむように響き、なんともいえぬ狂気を感じたのですがこちらでは少し控えめに感じました。
泥やら水を使ってからまだ一幕あるので、あれは出ている人、舞台を作っている人大変です。
最後の幕のときもまだ舞台に濡れているところがありました。
歌舞伎はじめての友達は、言葉も分かりやすかったとのことです。最初なのに、斜め上から見せてしまいましたがそれはそれで細かいところがはっきり見える良さもあるのではと思いました。
多分まだチケット取れそうですし。1000円代から見ることもできる幕見もありますよ。