第3部 午後6時開演
傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)
十郎兵衛住家の段
小鍛冶(こかじ)
「刀剣乱舞」×文楽ということで、それがなんのこっちゃよくわからんかったのですが、3部は他の回とは客層がちょっぴり違う。
ゲームのキャラクターらしい。どうやら日本刀の名刀にまつわるゲームのようで、「小鍛冶」はその名刀にまつわる製作秘話。
劇場には、そのキャラである小狐丸を文楽人形化したものも飾られています。
おお、なんだか中性的な。
さて、三部は「阿波の鳴門」です。
「七段目」にも「寝床」にもでてくる有名な演目で、わたしは能勢の浄瑠璃で聞いているのですが本公演ではかなり久しぶりだったそうで。能勢の浄瑠璃ではお弓がおつるを追いかけるところで幕引きだったので、あれだけ見た人はええ話やったわ、と思うんじゃないか。
ひどい話ですわ。結局、おつるは自分の父親に殺されてしまうのです。最低!最低や!金のためって救いがないわ~。大儀があったとしても。
さて、有名なセリフ「ととさんに名はじゅうろうべえ。わたしの名はおつるともうします」なんですが、うちの母がいうにはわたしにとっての曾祖母がよく言っていたらしい。
ああ!血を感じる!
何もない山中で、学のないばあさんがこれをたびたび口にするほどに「阿波の鳴門」は有名だったわけです。
知人に教えてもらったのですが、淡路の人形浄瑠璃が大阪の文楽座よりも津々浦々日本中まわっていたそうで、「阿波の鳴門」は人気演目かつ自分たちがやってきたのはおつると近いところと紹介するのによかったのかも。御多分に漏れず農村歌舞伎、浄瑠璃が盛んだったわが地域でもホンモノの淡路からきた浄瑠璃なのか地域の青年団かの浄瑠璃で曾祖母は「阿波の鳴門」を知っていたというわけです。
※祖父は農村歌舞伎の役者なのでやっぱり血なのです。
それはともかく、「阿波の鳴門」の問題のところは、後半です。これはショッキング。父親に殺され、母親は家もろともおつるの遺体を焼いてしまう…。
この結末が…、こ、怖い。
まあ、浄瑠璃は不条理を描くのでいいんですけど。
わたしが心配するのは「刀剣乱舞」のファンのみなさんがワクワクしながら来ているところに引いてなかったか心配です。
「小鍛冶」は、わたしははじめて見る、聞く演目で、ずらっと並んだ床といいワクワク満点。舞台も地味派手でこちらも文楽らしいといえばらしい。
そんな第三部でした。