1975年発表のキャラヴァン7作目。メンバーはリチャード・コフラン(D)、パイ・ヘイティングス(G、V)、ジェフ・リチャードソン(ヴィオラ、フルート、G)、デイブ・シンクレア(Key)、マイク・ウエッジウッド(ベース、V)。マイクが新加入です。
この作品について、まずは「ロッキン・コンチェルト」という日本でつけられたタイトルに疑問がおこります。
当時、よくある話で、全く原題とは関係ないタイトルです。まあ、プログレ的なタイトルをつけて、興味をひこうということなのでしょう。原題の「CUNNING STUNTS」の「カンニング」はテストをカンニングするのカンニングの意味みたい。直訳は「ずる賢い離れ業」?
このタイトルにした理由はネットでエピソードを説明している人がいるので、そちらを見てください。
アルバム・ジャケットもいいですね。ヒプノシスの不思議な感じのデザインです。まさにプログレ感を漂わせます。
このアルバムについては、ここ日本では「最高傑作!」と推す方が多い感じがします。
プログレ原理主義者から見たら、「ええっ?プログレじゃないよお。ポップスじゃん!」と反対を主張されそうですが、とにかく、メロディがいいんです!もはやプログレではなく、一般ポップスレベルでの素晴らしいメロディなんです!!
極め付きは当時レコードのB面に割り当てられた組曲「The Dabsong Conshirto」(これも、邦題は「ロッキン・コンチェルト」?!)の導入部分の極甘なメロディ!ビージーズか?と思ってしまうようなとろける甘いメロディに参ってしまう人続出(私がそう思ってるだけですが(笑))!
この曲で、大きく勘違いしてしまい、キャラヴァンはポップなバンドで、カンタベリー・ロックもポップなロック・ジャンルと勘違いしてしまう一般洋楽ファンがいるので、困ってしまいます。確かにキャラヴァンはポップ傾向はありますが、このアルバムは特別ですからね。勘違いしそうな方には、「ソフトマシーン3」を聴いてくださいとおすすめしたいです。
で、「The Dabsong Conshirto」の冒頭のメロディですが、何度聴いても素晴らしい!このメロディと声を聴くためにこのアルバムを購入してもいいという名曲です。組曲全体では、ブラス・ロック風になったり、ジャズ風になったり、混沌とした演奏になったり、プログレ感あります。
それにしても、現在、このアルバムは現在廃盤のようです。これは残念!
コロナ感染流行以降、クラシック・ロックのCDがあまりプレスされなくなったような気がします。時代かな。
The Dabsong Conshirtoe
さて、もう1曲、アルバムのトップを飾る「THE SHOW OF OUR LIVES(わが人生のショー)」も聞きましょう。
アルバムの始まりとしては最高の曲です。メロディはいいし、ワクワクしてしまう展開を示す曲。
ゆったりしているし、うっとりした気分になります。はっきり言って、めちゃめちゃポップ。シンクレアがつくってますね。
The Show Of Our Lives
以上、最もポップな2曲をご紹介しました。
まあ、この2曲を聴いただけでも、満足できるアルバムです。
まあ、プログレ度は低い作品ですが、とにかく高品質で、満足度が高い。
難解な作品が好きな人、玄人好みの人はさようならという作品ですが、メロディに酔いたいなら、最高のアルバムです。
人生に疲れた方がいたなら、このアルバムを勧めたい。
なんか、ほっとするし、癒されます。
そんな作品なんです。
カンタベリー・ロック特集、まだまだ続きます。
このアルバム、前半はポップな曲ですが後半の組曲が非常によいです。
最初のキーボードの音はやはりカンタベリーの伝統を受け継ぐメロデイラインで、途中のフルートやヴァイオリン、ギターが次々とソロをとるところはプログレとも言えますね。
最後の部分もカンタベリーサウンドながら、実によく作られています。
全体的にジャズ色がなくなってポップになりましたが、名盤と言えると思います。
コメントありがとうございます。
カンタベリーもいろいろありますが、私は「メロディ」の良さという点で、このアルバムが一番の推しです。名盤と言っていただきうれしいです。
コメントありがとうございます。
やはり凝ったアルバムですよね。
いろいろな要素が入った作品なんだなと思います。