ふざけるんじゃねえよ
PANTAが逝去した。73才だ。
ロック・ミュージシャンとしては、長生きだったかもしれない。
いや、今の時代では、まだまだかも。
PANTAとの出会いは中学2年の遠足の時。
ヤンキーで不良であることを自慢していたクラスメイトが
遠足のバスの中で、カセットテープをクラスメイトに聴かせて、
「かっこいいだろ?頭脳警察3だぜ!」
彼にはやっぱり不良の兄がいたはずで、その兄から教わったらしい。
いかにも不良が好みそうな反抗心溢れる歌詞にクラスメイトが圧倒されたのを覚えている。
その時はよくわからず、後で調べて、この「ふざけるんじゃねえよ」がPANTA率いるロック・バンド「頭脳警察」のサードアルバム収録だということを知る。
この直情的な歌詞はやはり、学生運動の雰囲気が若者にまだ残っていた1970年代初期だからのものだろう。若者は大人に反抗するというのが常識だった。当時の若者は政治にも深く関心をもっていたんだ。
高校時代、文化祭で、バンドでこの曲をやった。
この曲を当時の高校生がどれだけ知っていたかわからない。
でも、演奏する方は楽しかった。
PANTAは決して、上手い歌手ではないとは思うが、その声がもつロックのエネルギーがすごかった。言葉に力があった。ロックはテクニックではなく、伝える力だと思わせる人だった。
数年後、ソロになった彼の作品も良く聴いた。
「屋根の上の猫」「つれなのふりや」「マラッカ」は今でも好きな曲である。
屋根の上の猫
まるで、アニメのテーマソングのようなドラマティックな盛り上がりを示す曲。歌詞は意味不明なのだが、なぜか説得力をもつパワーのある曲。
当時は、シンプルに「すげーかっこいい!」と思った。
つれなのふりや
レゲエアレンジが新鮮な1曲。「つれなのふりや」はつれないふりして・・・の意味らしい。同じく歌詞にでてくる「すげなの顔や」はそっけない顔をして・・・の意味。昔の短歌にでてくる一節とのこと。気になる人はネットですぐ調べられます。
この曲は繰り返して聴くと、クセになります。いつの間にか歌ってしまう中毒性があります。
マラッカ
目の前に、赤道直下の海が広がるようなアレンジと歌詞が印象的な曲。
やはり、言葉の選び方が鋭い。
対応するギターソロもえらくかっこいい。
この曲もクセになる。サビのところがバシッと決まる。
PANTA様
あなたは、私の青春時代に力を与えてくれた。
あなたは真の日本のロッカーだった。
ご冥福をお祈り申し上げます。
合掌
Pantaさん、実は殆ど知らない方でした。
マラッカのジャケは、たまに名盤紹介の記事で拝見してはいたのですが…。
こうした骨太なロッカーが逝ってしまうのは寂しいものです。
そういえば雑誌「Player」も休刊になってしまいました。時代の変化を感じてしまいますね。
(大病されていらしたご様子。お体ご自愛ください。またブログも無理せず、細く長く続けられることを期待しております)
PANTAさん、知っている方はやはり70年代のロック・マニアなんでしょうね。
私の記事で、興味を持っていただける方がいれば幸いです。
プレイヤーも休刊とは!?週刊朝日の休刊とか、JJの休刊とか、紙媒体は厳しい世の中です。ネットにはない良さもあるので、全滅にはならないことを祈りたいものですが・・・
病気について心配していただき恐縮です。
少しづつ快方には向かっていますが、時間がかかりそうです。
頭脳警察は、当時の中坊には刺激的でしたね。荒々しい歌詞に、最初は確かに何これ?って感じです。
パンタさんの歌詞はやっぱりポエムですね。
心に突き刺さるポエムです。
最初は赤軍派のシンパだったのが、時が経ちプチブルどころかブルジョアになった。その心境の変化はどんなものだったか知りたかったです。
頭脳警察&Pantaのことは、その名前は知っていたものの「過激な」という印象が強く、音源は聴いてませんでした。聴くようになったのは「マラッカ」からかなぁ。随分印象違うなぁ、というのが正直な感想だった。けど書かれているように独特な世界観やサウンドは、クセになりました。あと石川セリ、杏里等でお馴染みの「ムーンライトサーファー」がPanta作と知った時はビックリしました。
こうやって、訃報に接するたびに青春を思い起こし、時の流れに圧倒されます。
ブルジョアですか・・・
最近の若者はブルジョアという用語を知らなかったりしますねー。
過激なイメージがある人でしたが、見事にイメージチェンジしたって感じですね。
でも、言葉に力がある人でした。