花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

冬に咲く(2)

2022-01-14 | 植物 花

今日の “冬に咲く”(2)には、「ナギイカダ /  ルス クス」 Ruscus  を3種挙げてみます。

葉から花が咲き出す様な面白い姿です。

1,「ルスクス・ヒポフィルム」、2,「ルスクス・アクレアツス」3,「ルスクス・ヒポグロッスム」の3種です。

最初に、「ルスクス・ヒポフィルム」 を挙げます。

<「ルスクス・ヒポフィルム」」>

今年も花束の<添え木>、フラワーアレンジメント等に利用する「ナギイカダ」(梛筏)の ”葉” に可憐な花が咲きました。

小さな小さな(花径6ミリ、花筒3ミリ位)な薄緑色の花です。

一見、葉から花が咲いたように見えますが、葉ではなく、枝が変化したものとのこと。(名称=葉状枝)

本当の葉は、枝の根元の方に着く小さい鱗状で、目に付きに難い ”葉” です。

秋には、級状の赤い実を着けます。

亦、花序は、葉状枝の裏表に付けるのも此の品種の特徴です。

長期間、萎れないので、一緒に添えられた花が、終わった後も濃い緑色の "葉" を愉しむことが、出来ます。

「ナギイカダ」の名前の由来は、「ハナイカダ」に似て、葉の葉の中央部に花を咲かせ

葉が、「ナギ」の葉に似てるからとか

「ナギイカダ」は、葉の様な枝に花を咲かせるのに対して、「ハナイカダ」は

花柄が、葉の中央脈に合着したものと の違いが

スズラン亜科、ナギイカダ属、地中海沿岸原産、常緑小低木、雌雄異株、学名   Ruscus hypophyllum

英名  knee Holly、Jew's myrtle


ルビーの様な赤い実を着けます、他の品種も同じ様な果実です、緑色から熟して赤色に変化します。

 

次は、上に載せた「ルスクス・ヒポフィルム」の花と、葉枝枝の形が、少し違う「ルクサス・アクレアツス」です。

<「ルスクス・アクレアツス」>

葉状枝が、肉厚で硬く、枝の先端が、鋭く尖っている違いが有り、葉状枝の上面だけに花を咲かせます。

英名  Bucyer's broom  <肉屋の箒> とか、面白い名前ですが

由来は、ヨーロッパの肉屋では、此の植物を箒として利用していてからとか

英名    Ruscus aculeatus 



 

最後は、上載の「ルスクス・ヒポフィルム」に似た葉枝枝の「ルスクス・ヒポグロッサム」です。

<「ルスクス・ピポグロッサム」>

葉状枝も大きく、柔らかい質感で、「ルスクス・アクレアツス」より優しい感じがします。

花を咲かせる場所は、「アクレアツス」と同じで、葉枝枝の上面だけに咲かせます。

学名   Ruscus hypoglossum 、仕様は、他の品種と同様



葉は、柔らかい感じで、「アクレアツス」とは、大分違います、緑色から真っ赤に

熟す果実は、他の品種と同様ルビーの輝きです。


冬に咲く(1)

2022-01-11 | 植物 花

寒い冬の季節に相応しく、ヒマラヤ の名前が付いた花を2種挙げてみました。

「ヒマラヤユキノシタ」と「ヒマラヤザクラ」です。

 

<「ヒマラヤユキノシタ」(ヒマラヤ雪の下> 

ヒマラヤ地方(パキスタン、アフガニステン、ネパール、チベット)が原産地故の命名とのこと

開花時期が、冬なので、寒いヒマラヤの思い起こす相応な命名です。

地を這うように広がる根から、大きな光沢の有る団扇のような葉をロゼット状に着きます。

中央から花茎が伸びて、集散花序をだし、白やピンクの五弁の花を咲かせます。

花の中央から、黄色い雄蘂が覗きます、花が少ない時季だけに目立ちます。

ユキノシタ科、ヒマラヤユキノシタ(ベルゲニア)属、耐寒性多年草、学名    Bergenia stracheyi

英名    Himalayan creeping saxifrage別名「ベルゲニア」、「ウインターベゴニア」、「オオイワグンバイ」



 

次は、晩秋から冬に懸けて花を咲かせる「ヒマラヤザクラ」です。

野生種なので「染井吉野」とは違った趣が有ります。

冬咲きの「桜」には、「十月桜」、「四季桜」、「子福桜」等々、多種有りますが

きょうの「ヒマラヤザクラ」も其の一つなのです。

一重で淡いピンク色の花と、葉先が尖った葉が同時に展開します、花が、葉より先に展開する

「染井吉野」等とは、亦、違った性質です。

日本には、ネパール王室から熱海市に贈られたのが最初とか

原産地がインドやカシミール地方とのことで、耐寒性が有って、此の時期に視ることができます。

他の冬咲きの「桜」より一層野性的な感じがします。

花色は、ピンク色ですが、濃淡が多彩なので、充分愉しめます。

其の分、清楚な感じのする桜花です。

バラ科、サクラ属、落葉高木、インド、カシミール原産

学名    Prunus cerasoides英名    Wild Himalayan Cherry




 他に、冬に開花しないが、<ヒマラヤ>の名前が付いたものに、「ヒマラヤクサギ」(ボタンクサギ)

「ヒマラヤソケイ」(キソケイ)等が有ります<再掲載記事>

 

 

<「ヒマラヤクサギ」>

別名「ボタンクサギ」(牡丹臭木)

や「クレロデンドルム」の方が、知られた名前ですが、”ヒマラヤ”

の名前を敢えて使うので、「ヒマラヤクサギ」の名前を表に出しました。

6月から8月に懸けて、左図の様な花を咲かせます。

クマツヅラ科、クサギ属、中国南部、インド北部原産

半耐寒性落葉低木、学名 Clerodendrum bung

 

 

 

 

 

<「ヒマラヤソケイ」>

此の花も「キソケイ」(黄蘇馨)、「イェロージャスミナ」の名前で

知られています、開花期は、5月から6月です。

モクセイ科、ソケイ属、常緑低木、ヒマラヤ地方原産

学名 Jasminum humile var.revolutum、英名 Yellow jasumine

 上に載せた2種は、何れもヒマラヤ地方の原産ですが

開花時期は、「ヒマラウアユキノシタ」や「ヒマラヤザクラ」とは

違っています。


冬に咲く花「カランコエ」

2022-01-08 | 植物 花

寒い冬に彩りを添える冬咲きの「カランコエ」を挙げてみます。

一般の「カランコエ」  Kalanchoe blossfeldiana / ベニベンケイ(紅弁慶)/カランコエ・ブロスフェルディアナは

開花期が、初秋から晩秋に懸けてですが、今日挙げる品種は、1月から3月が、最盛期になります。

最初は、「カランコエ ’ウエンディー’」です。

<「カランコエ ’ウェンディー’」>

「カランコエ」kalanchoe blossfeldiana と言えば、多数の小さな花が、上向きに咲く姿が、思い浮かびますが

「カランコエ ’ウエンディー’」は、釣鐘型の花を下向きに多数咲かせます。

花弁の先端に黄色の縁取りが在ります。

耐寒性が、有りますので、冬中、愉しむことができます。

「カランコエ」は、マダカスカルが原産地ですが、「カランコエ ’ウエンディー’」は、オランダで

作出された交雑種とのこと、濃厚な感じがする「カランコエ」です。

ベンケイソウ科、カランコエ属、耐寒性多年草、交雑種

学名    Kalanchoe miniata 、英名    Kalanchoe 'Wendy'


八重咲きの品種も視られます、濃艶過ぎるかな ・ ・ ・ 

次は、「カランコエ・プミラ」です。

円錐花序をだして、淡い桃紫色の花を咲かせます。

花と銀色の葉を愉しみます、葉の色から「シロガネノマイ」(白銀の舞)の別名が、付いています。

冬は、屋内の日当たりの良い場所で栽育します。

ベンケイソウ科、カランコエ属、非耐寒性多年草、マダカスカル原産(園芸種)

学名   Kalanchoe pumila、別名「シロガネノマイ」(白銀の舞)


最後に、花が、筒型で愛らしい、2種を挙げてみました。

<「カランコエ 'テッサ’ 」>

「カランコエ ’テッサ’」、「カランコエ’ミラベラ’」も「カランコエ ’ウエンディー’」と同じく

オランダで作出された園芸種とか、花の形も「’ウエンディー’」に似た姿ですが、

「ウエンディー」より細長い筒状で、朱赤色の花を咲かせます。

「テッサ」は、橙色で花弁の先端の色が、少し淡い色になります。

同じく、交配種の「カランコエ ’ミラベラ’ 」は、色合いが、「テッサ」より濃い違いが有ります。

下垂する多数の花は、見事な眺めになります。 

屋内の日当たりの良い場所に置き、冬中、愉しませてくれます。

ベンケイソウ科、カランコエ属、非耐寒性多年草、園芸種、学名  Kalanchoe 'Tessa' 


下図は、色合いが多少濃い「カランコエ ’ミラベラ」Kalanchoe mirabella  です。


寒い日でも、犬は元気に飛び跳ねています、先回りして顔を出す予知能力を持っています。


「エリカ」の花が咲く季節です(3)

2022-01-06 | 植物 花

”冬に咲く「エリカ」(3)”  には、「エリカ・セリントイデス」と「エリカ・ブランドフォルディア」の

2種を挙げてみました、冬を彩る形と色彩です。

 

最初に「エリカ・セリントイデス」、別名「ファイヤーヒース」です。

<「エリカ・セリントイデス」」ファィヤーヒース>

長い(3cm位)筒状花を下向きに咲かせます、花は、細かい白い毛が生えています。

分枝しない枝が、多数直立し、草丈は、長いもので1.5Mにもなり、針状の葉が

輪生するのは、他の「エリカ」と同じです。

英名    Erica fire heath ですが、山火事の跡によく生えて花を咲かせるからとか

花色は、朱色、赤、白等が有ります。

ツツジ科、エリカ属、半耐寒性常緑低木、南アフリカ原産、学名   Erica cerinthoides

別名「エリカ・ファイヤーヒース」


 

次は、冬咲きの黄色い花の「エリカ・ブランドフォルディア」(カナリーヒース)です。

<「エリカ・ブランドフォルディア」>

花は、壺型で「スズランエリカ」に似ています、”黄色い鈴蘭” と言ったところでしょうか。

小型で多花性、針形の葉が、輪生します、花径  約 0.3 CM、樹高 約30~100CM位。

冬は、鉢植えにして、昼に屋外に置いて、夜間に屋内に取り込む栽育するのが無難です。

ツツジ科、エリカ属、耐寒性常緑低木、南アフリカ、ヨーロッパ原産

学名   Erica blandfordia、別名 「カナリーヒース」


色の違いが有りますが、壺型の花弁は、「鈴蘭エリカ」Erica formosa  に似ています。

他に、黄色い色の冬咲きで、筒状花の「エリカ・パターソニー」  E.patersonii も此の季節に咲く品種です。


「エリカ」の花が咲く季節です(3)

2022-01-05 | 植物 花

冬咲きの「エリカ」シリーズの3番目は、「ジャノメエリカ」、「エリカ・フォルモサ」にしました。

寒い冬に彩りを添える花達です、小さな壺型の花が、微笑ましい気分を増幅させます。

<「ジャノメエリカ」(蛇の目エリカ)>

枝が分岐してピンク色の壺型の花を多数着けます、花冠の中心に雄蘂の黒紫色の葯を着けるので、目玉の様に見えます。

此の葯の様子を<蛇の目>に喩えた命名とか、葉は、艶が有り線形で3枚輪生させます、冬には、褐色に変色します。

花径は、0.2~0.3m/mと小さく、樹高は、200cm位になりますが、もっと高い樹高のものも有ります。

マイナス5度位に耐えますので、此の地方では、冬を彩る花として重宝されます。

ツツジ科、エリカ属、耐寒性常緑低木、南アフリカ原産、学名&英名   Channeled heath

Black-anthered Heath、Black-eyed-Heath

別名「クロシベエリカ」、「アフリカエリカ」

雄蘂の黒い色が、蛇の目玉ですか、多数の目玉が、睨んでいます。



”蛇の目” の正体は、黒紫色の雄蘂です、愛くるしい目玉です。

 

次は、「スズランエリカ」です。

<鈴蘭エリカ」>

「鈴蘭」の花に似た壺型の花です、「ドウダンツツジ」(満天星躑躅)の花にも似ています。

多数分枝する枝先に、3個の花を咲かせるので、多くの花で溢れます。

葉は、針形で「杉」の葉に似ています。

尚、”Formosa" は、ラテン語で ”美しい”  意味とか、花の形と眩い白さが、此の名前になったのしょうか

ツツジ科、エリカ属、耐寒性常緑低木、南アフリカ原産、英名   Erica formosa 

英名 Channelled heath、別名「エリカ フォルモサ」